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外車乗りも評価するアベンシスの魅力とは?何故納車に時間がかかる?

トヨタ・アベンシスはドイツ車、フランス車など競合がひしめく欧州でも、年間約50,000~70,000台程度販売される人気車種となっています。

欧州では個人で購入するだけでなく、福利厚生の一環として企業が社員にクルマを貸与する「カンパニーカー」という制度があり、この制度でも多くの企業に選ばれているモデルです。

日本での販売は英国から完成車を輸入する形、いわゆる逆輸入車となります。

国内で生産されるトヨタ車とは一味違う欧州車テイストを持つアベンシス。その魅力をたっぷりお伝えします。

アベンシスとは?

トヨタの豊富なラインナップのなかで、ミドルクラスワゴンとして唯一のモデルがアベンシスです。

アベンシスはヨーロッパ各国への販売をターゲットとした欧州戦略車で、開発と生産はトヨタの英国バーナストン工場で行われています。

欧州ではセダンとワゴンが販売され、レクサスを除いたトヨタブランドとしては最上位モデルの位置付けです。

日本国内では1997年発売の初代、2004年発売の2代目アベンシスとも欧州専売車種として開発され、現在と同じく英国生産の逆輸入車として日本でも販売されました。

3代目の現行アベンシスは2009年から欧州での販売が始まりましたが、日本では需要の減少を理由に3代目の輸入を見送り、販売中止になっています。

その後2011年にワゴンモデルのみを1200台程度輸入し、期間限定で販売。

急遽輸入が決まったのは国内で生産中止になったカルディナやマークⅡブリッド、クラウンエステートなどのミドルクラスワゴンを代替する車種がトヨタのラインナップに無くなってしまったためです。

2012年からはカタログモデルとなり通常販売となりました。

2015年にはマイナーチェンジを実施し、フロントデザインや内装が大幅に変更され商品力を高めています。

アベンシスの性能と特徴、魅力とは?

ボディは全長4,820mm×全幅1,810mm×全高1,480mm日本では少し大柄なサイズです。

アベンシスと同じく、欧州で高い評価を得ているマツダ・アテンザワゴン(欧州名マツダ6)やVWパサートワゴンと、ほぼ同じ大きさになります。

2列5人乗りでリアシートは6:4の分割可倒式、ラゲッジスペースはリアシート使用時で543Lでリアシートを格納すると1,609Lにもなり積載性能は十分です。

エンジンは152psのバルブマチック付2.0Lガソリンエンジンのみの設定になっています。

欧州専用のエンジンではなく、国内ではノア・ヴォクシーやプレミオなどに搭載されるエンジンと同一です。

組み合わせるミッションはパドルシフトでマニュアル操作が可能な、7速シーケンシャルシフトマチック付SuperCVT-iとなります。

駆動方式はFFのみで4WDの設定はありません。燃費は14.6Km/Lと平成27年度燃費基準を達成しています。

エクステリアはフロントに薄く切れ上がったアッパーグリルと、大型で台形のロアグリルを組み合わせた「キーンルック」を採用。トヨタが欧州で販売するオーリスやヤリス(日本名:ヴィッツ)と共通のデザインイメージです。

ヘッドランプはLED1灯でHi/Lowを切替でき、ステアリングの角度に応じて左右にヘッドランプを向けることで死角を無くし、安全を確保するインテリジェントAFSを上級グレードに装備しています。

エクステリアはフロントからリアにかけて流れるようなラインで構成され、ミドルクラスワゴンらしい伸びやかなデザインです。

リアに向け大きくキックアップしているウエストラインはラゲッジの実用性にも考慮されています。

荷室のトノカバーを使用した場合でも、ラゲッジルームの高さ方向に十分な余裕を生むための工夫です。

インテリアはフルモデルチェンジ並みの変更を受け、質感が大きく向上しています。

インストルメントパネルは横基調の伸びやかで広がりのあるデザインでエアコン送風口やメータパネルなどのクロムで加飾、ソフトパッドの素材の統一感で上質感のある空間を演出しています。

メーターは照度コントロール付きで2本の円筒状となっていて、スピードメーターとタコメーターの間に4.2インチのTFTカラーマルチインフォメーションディスプレイを設置し様々なドライビング情報を表示します。

運転席は右ハンドルですが方向指示レバーは左側、ワイパー&ウォッシャースイッチは右側となり欧州車と同様で日本車とは逆の配置です。

安全装備については「Toyota Safety Sense C」を標準装備。レーザーレーダーと単眼カメラの組み合わせで衝突回避支援型プリクラッシュセーフティ、レーンディパーチャーアラート、オートマチックハイビームの3つの機能を実現しています。

グレードは以下の2グレードです。

  • Xi:274.9万円
  • Li:298.4万円

Xiはファブリック+アルカンターラのシートがセットされ、ブラックとシルバーの内装色です。

Liは内装色がテラコッタ(茶色)とブラックの組み合わせでシートも本革+アルカンターラとなり高級感がアップします。

Liではアルミホイールが16インチから17インチにサイズアップし、フロントフォグランプ、クルーズコントロールやインテリジェントAFSが追加で装備されます。

なぜ納車に3ヶ月もかかるのか?

アベンシスの納期は2017年3月以降と3カ月以上も先の納車となっています(2016年11月現在)。

その理由は英国の工場で生産し船で日本に運ばれますが、輸送に約40日が必要だからです。

陸揚げ後に豊田市の堤工場で一台ずつ納車前検査を行い、ディーラーへ運ばれます。

英国で生産が完了しても数カ月間隔で数百台~千台程度を一度に運びますので、陸揚げ分が売り切れると次の船便まで待つことになるのが長納期の最大の理由です。

また日本向けアベンシスは受注生産ではなく、月産数百台の見込み生産を行っています。

そのためグレードは2つ、ボディカラーもホワイト、ブラック、シルバーの3色でメーカーオプションもありません。

グレードとカラーの組み合わせによっては次の船便分が完売している場合もあります。

また逆輸入車の宿命で為替レートの変動によって価格改定の実施や、収益悪化による販売中止の可能性もありますので注意が必要です。

どんな人にオススメのクルマなのか?

多人数乗車やスペースユーティリティーを最優先するならミニバンになってしまいますが、走行性能と積載性を両立したいのであれば、セダンをベースとしたワゴンが最適といえます。

アベンシスは「リアルヨーロピアンワゴン」のキャッチフレーズ通り、欧州車並みの走行性能と快適性を備えたワゴンです。

エンジンに突出した性能はありませんがボディ剛性やサスペンション、ブレーキは様々な路面をスムーズに走れるだけでなく、200km/hの巡行もこなす性能を持っています。

特筆すべきはシートの出来の良さで国産車ではコストダウンによりシートが貧弱になるケースが多いですが、アベンシスはシートサイズが大きくクッションも厚いため、長時間でも腰や背中が痛くなりません。

使い勝手の良いミドルクラスワゴンを愛車にしようとすると、国産車で選択肢はほとんど無く輸入車からセレクトする事になります。

クラスとして近いBMW3シリーズツーリング(431万円~)やVWパサートヴァリアント(349万円~)には手が届かないけれど、欧州車の走りや質感を手に入れたい人にアベンシスはピッタリです。

※BMW 3 シリーズ ツーリング※

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※VW パサートヴァリアント※

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輸入車の品質、ディーラーの販売網やアフターサービスに不安があるなら、万全のサービス体制を誇るトヨタディーラーから購入できる安心感は変えられない魅力になります。

国産車ではアテンザワゴンがライバルになりますが、ガソリン2.0Lのベースグレードでも276.5万円~とアベンシスよりも少し高めです。

※アテンザワゴン※

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クリーンディーゼルモデルだと輸入車と変わらない価格になります。

輸入車や国産ワゴンと比較してもお買い得なアベンシスですが、乗換えや売却時のリセールが悪い点には注意が必要です。

まとめ

アベンシスは「欧州で作ったトヨタ車」ではなく「トヨタが作った欧州車」です。

走行安定性やハンドリング性能、動力性能を高い次元で要求される欧州のマーケットでも、プジョーやルノー、VWと競合し互角以上の評価を得ています。

欧州車レベルの性能だけでなく、輸入車には無いトヨタ品質も加わり、選択肢の少ないミドルクラスワゴンでは出色の出来栄えでしょう。

アベンシスが国内生産に切り替わるほどミドルクラスワゴンの需要は伸びないと考えられますが、納期の長さも気にならない程に魅力的なモデルです。

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