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生産終了が噂されるビアンテの特徴は?個性派すぎるデザインが賛否両論

セレナ・ノア&ヴォクシー・ステップワゴンの3強が争う、5ナンバーミニバンクラスにマツダが2008年に送り込んだモデルがビアンテです。

ファミリーユースに主眼を置くミニバンとしては、個性的なスタイリングでデビューし話題になりました。

ミニバン市場もかつての勢いはなくなりましたが、それでも各モデルで月販数千台~1万台程度は販売するライバルに対し、ビアンテは月に3ケタの販売台数が続いています。

クルマの良し悪しも含めて売れない理由が気になりますね。

そんなビアンテを徹底解剖してみましょう。

ビアンテはどんなクルマ?

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オートフリートップ(ルーフが電動でポップアップしテントになる機能)が特徴だったボンゴフレンディの後継ともいえるモデルです。

開発コスト削減や期間短縮を目的に、プレマシーをベースに試作車を造らずに設計開発されています。

エンジンの上に運転席があるキャブオーバー式のボンゴフレンディとは異なり、エンジンルームを前に置くFFで両側スライドドア、3列シートを備えた8人乗りです。

サイズは全長4,715mm×全幅1,770mm×全高1,835mm、ホイールベースは2,850mmで全幅と全長で3ナンバーサイズとなり、ライバルより少し大柄なボディになります。

2009年にはアイドリングストップ機構「i-stop」が搭載され燃費が向上、2013年にはミニバンとしてはプレマシーに続きSKYACTIV TECHNOLOGY技術を2WD車に搭載しました。

直噴の2.0Lガソリンエンジンと高効率6速ATにより、JC08モード燃費は14.8km/Lと「平成27年度燃費基準+20%」を達成しています。

室内は運転席から2列目3列目と後部に行くにつれ、シート位置が高くなるレイアウトです。

車高の低いプレマシーがベースで、ペダル位置の制限から運転席を高く配置できなかったためですが、結果として後席でも前方視界が良くなり開放的な室内になっています。

ワンボックスミニバンの必須装備とも言えるスライドドアの開口部は780mmと大きく、ステップも低く大きいため乗降性も良好です。

2列目シートは753mmの大きなスライド量があり、ベンチシートを左右に分割してキャプテンシートとしても使い分けできます。

シートの操作も簡単で足元を開放できる「リビングモード」、3列目のアクセスを容易にする「ウォークスルーモード」などのシートアレンジが可能です。

ビアンテの性能と特徴

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他のどのミニバンにも似ていないフロントマスクがビアンテの一番の特徴になります。

切れ上がったヘッドライトがボンネットのサイドまで回り込み、Aピラーまでつながって見えるデザインです。

歌舞伎の隈取をモチーフとして黒く縁どられたヘッドライトの下に、先代アクセラのような逆5角形のグリルを配しています。

マツダ車に共通するシャープな印象ですが、ミニバンとしては独特で好き嫌いがはっきり分かれるでしょう。

カラーによっても印象は変わるデザインですが、6色のボディカラーのうちブラックなどの暗めの色を選べば比較的落ち着いた印象になります。

サイドウィンドウの下端は低く、ヘッドランプにつながる大きめの三角窓もあり運転席まわりの視界は良好です。

ただし高い車高とバランスを取るためボンネットも高い位置にあり、インパネも少し高めになります。

シートの上下調節機構はありますが、背の低いドライバーだと前が見にくい場合もあるので実車の確認が必要です。

運転席から後部座席までフラットな床面のライバル車達とは異なり、ビアンテは運転席と2列目シートの間に段差があるフロア構造です。

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室内で前後に移動するには、つまずかないように足を運ぶ必要があります。

3列目シートは座面・シートバックともクッションは十分な厚みがありますが座面の奥行が2列目に比べて50mm短く、大人では太腿のサポートが弱く長時間の移動には向いていません。

3列目シートの収納は床下や跳ね上げ式ではなく、座面だけを持ち上げて前に寄せるのみです。

収納した場合でも荷室の奥行は不足気味になり、5人乗車での積載性は劣ります。

エンジンはFFモデルが2.0L直4「SKYACTIV-G 2.0」でパワーが151ps、トルクは19.4 kgf・m、4WDモデルは1世代前のDISIエンジンでパワーが144PS、トルクは18.8kgf・mになります。

車重は1,660(FF)~1,770kg(4WD)と、普通に走るには十分なスペックです。

FFモデルでは、ほぼ全域でロックアップ(エンジンと直結)する6速ATにより、ダイレクト感のある加速フィーリングになります。

ダイレクトモード機構付ステアリングシフトスイッチでマニュアルミッションのような操作も可能です。

サスペンション形式はフロントにマクファーソンストラット式、リアにはマルチリンク式を採用。ハンドリングも背が高く重心も高いミニバンとしては正確で、フラフラした感じはありません。

セダン並みのコーナリングとはいきませんが、全幅がワイドなこともあり安定性は良好です。

乗り心地は少し硬めですが不快なショックは抑えられていて、操縦安定性と快適性のバランスがとれた足回りになっています。

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インテリアはミニバンらしくシンプルながらも機能性に優れたデザインでインパネにはシフトセレクターを配し、マツダ車としては初となるセンターメーターにより広々とした印象を受けるでしょう。

質感は価格相応ですがモダンなデザインのため古さは感じません。

インテリアのカラーはブラックがメイン色で、グレードによりライトベージュが選択できます。

安全装備は運転席&助手席SRSエアバックとDSC(横滑り防止装置)&TCS(トラクション・コントロール・システム)、坂道発進時の後退を防ぐヒル・ローンチ・アシスト(HLA)が全車標準装備です。

運転席&助手席サイドエアバックとカーテンエアバック(フロント/セカンド/サードシート用)はオプションになっています。

FFモデルは3グレードで価格は以下の通りです。

  • 20C:234.3万円
  • 20S:256.5万円
  • GRANZ:267.3万円

4WD仕様は2グレードになります。

  • 20C:255.9万円
  • GRANZ:291.0万円

GRANZは横基調の専用フロントバンパーを装備し、標準モデルに対してフロントグリル形状が違います。

メッキグリルの面積も大きく、サイドのモールや高輝度アルミホイールなどカスタム仕様らしく全体的に迫力のあるデザインです。

特徴的なヘッドランプとのマッチングもよいので、人気のグレードになっています。

挟み込み防止機能付き両側電動スライドドア、フルオートエアコンなどは全車標準装備となり、GRANZ以外はお手頃な価格設定です。

生産終了の可能性が?

ビアンテが登場した頃はセダンに替わってミニバンが人気を集めていた時期でもあり、マツダも国内販売を伸ばすにはワンボックスミニバンのラインナップが必要でした。

MPV、プレマシーに続きビアンテが投入されましたが、MPVは2016年1月に生産終了し、ビアンテとプレマシーも生産終了の噂があります。

噂は新聞報道などによるものですが、「SKYACTIV TECHNOLOGYのさらなる進化」と「SUVへの注力」という方針についてはマツダから公式に発表されています。

ミニバンは国内需要しかなく人気も低下傾向なので、グローバルで販売が期待できるSUVへの注力は正しい経営判断でしょう。

現行デミオやアクセラで人気のSKYACTIVクリーンディーゼルを搭載して、継続販売出来るならビアンテも人気が復活しそうですが、ベースになったプレマシー自体が1世代前のシャーシーのため搭載は難しいようです。

後継モデルについても全く情報はありません。

マツダの多人数乗車モデルとしては、大型SUV「CX-9」に3列シート7人乗りがありますが輸出専用です。

モデルチェンジ間近の「CX-5」に3列シートが設定されれば、ビアンテやプレマシーの事実上の後継モデルになる可能性があります。

まとめ

ビアンテは価格やスペックはライバルたちに決して劣ってはいません。

しかし個性的すぎるフロントマスクと運転席だけ低い独特なパッケージングが、保守的なファミリーユーザーの求めるワンボックスミニバン像とズレています。

SKYACTIV TECHNOLOGYによる低燃費や、マツダらしい質の高い走行性能はビアンテの大きなメリットです。

個性を大事にするユーザーや走りを妥協したくないユーザーにビアンテをおすすめします。

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