3度の飯よりクルマが好き!

自動車保険の等級を譲れる人 – 譲れない人

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運転歴の長い方なら当然ご存知でしょうが、自動車保険というものは、免許とりたての人や若いドライバーに対しては加入条件が厳しくなっています。

初めてクルマを購入した時のことを思い返すと「随分と高い保険料を払っていたなぁ」という印象を持っている人も多いのではないでしょうか。

それが長い年月、安全運転を続けていると自然と等級が上り、最高ランクの20等級ともなると、最初に任意保険に加入した時に比べて、5分の1程度の支払い保険料で済むようになっているのです。

いわば自動車保険の等級は、ドライバーの安全運転の結晶ともいえるでしょう。

しかしどんな熟練したドライバーでも、いつかクルマの運転から遠ざかる日が来るのです。

そうなると、せっかく育て上げた保険等級も無駄になってしまいます。

これは非常に勿体無い話ですよね。

そんな時ちょうど自分の子供がクルマを運転するような年頃になっていたとしたら、「自分の保険を譲ってやりたい」と考えるでしょう。

そういう場合のために、自動車保険の引き継ぎ制度というものがあります。

第三者に自動車保険を譲り渡すことはできるのか?

自動車保険の引き継ぎは、一緒に住んでいる子供が対象なら、何の問題もなく手続きができます。

しかし確認してほしいのは、「子供の名義で新たな保険に加入する必要があるのか?」ということです。

つまり「子供が免許を取ったので、まずは親のクルマを借りて運転する」というようなケースなら、何も自動車保険の引き継ぎの手続きをする必要は無いのです。

自動車保険には「家族限定特約」というものがあります。

たとえば、保険に加入している親のクルマを子供が運転するのであれば、わざわざ新しく保険に入らなくても、従来の保険に家族限定特約を付加するだけで、もし子供が事故を起こした際も同じように補償されるのです。

しかし子供が自分名義のクルマを買って親の保険等級を引き継ぐ場合や、親がクルマの運転をやめるので子供に等級を譲りたいという場合は、等級継承の手続きが必要になります。

自動車保険の等級はどんな人に譲渡できるの?

それでは、自動車保険の等級継承は、本人さえ望めば誰に対してもできるのでしょうか?

勿論、それには一定の条件というものがあります。

①保険契約本人と同居している親族

これは息子でも娘でも、親兄弟でも構いませんが、「同居」であることが必須条件です。

ちなみに前述の「家族限定特約」は、別居している家族でも構いませんが、等級引き継ぎに関しては、たとえ子供であっても一緒に住んでいなければなりません。

もし将来的に子供が独立することが想定されるのであれば、同居しているうちに手続きを完了してください。

②保険契約本人と同居している配偶者(内縁関係も含む)

これは同じ家に住む加入者の妻や夫、あるいは同棲している相手を指します。

たとえ籍が入っていても「別居している妻」という場合は認められません。

③保険契約本人と同居している配偶者の親族

これは、義父や義母、配偶者の兄弟や連れ子なども当てはまりますが、この場合も本人と同居している必要があります。

このように等級継承が認められるのは、どんなケースでも保険の名義人と同居していることが条件になります。

勿論、一緒に住んでいても友人や知人などは対象になりません。

ただし以上の条件に合致したとしても、等級を引き継ぐには他にも条件があります。

  • 今まで乗ってきた愛車を廃車にして、別のクルマに乗り換える場合
  • 今までの愛車以外にもう一台、クルマを購入する場合

つまり「保険料が安くなるから」という理由で、好き勝手に保険等級の譲渡や引き継ぎはできない仕組みになっているのです。

同様に「事故を起こして自分の保険の等級が下がってしまうので、別の保険の等級を引き継ぎたい」なんて悪用は出来ません。

何故なら運転者が事故あり等級の場合は、13ヵ月経たないとそれがリセットされないからです。

その期間内はいくら保険会社を変えても事故情報が引き継がれてしまいます。

等級引き継ぎの流れは?

等級引き継ぎの手続きは以上に挙げた条件に合致していれば、それほど難しいものではありません。

加入している自動車保険会社の担当者に「保険の引き継ぎがしたい」と告げるだけです。

後は担当者の指示に従って手続きを済ませてください。

例えば、親の保険を子供に引き継がせる場合は、

  • 親のクルマから子供のクルマに「車両入替」の申請手続きをする
  • 入替が完了したら、保険の名義人を親から子に変更する。

これで引き継ぎの手続きは完了しますが、そのままでは親の保険がなくなることになるので、引き続き親が自分のクルマに乗り続けるのであれば、新たに自動車保険に加入しなければなりません。

これを機に親がクルマの運転から引退するのであれば、自分のクルマを処分すればいいし、保険を更新する必要もないでしょう、

引き継ぎをするのは同じ保険会社でなくても構いませんが、違う会社間の場合は「満期日から8日以内」という制約があります。

また一般的に損保系であれば代理店型でも通販系でも問題なく引き継ぎは可能ですが、一部の共済タイプの自動車保険の場合、引き継ぎができないケースもありますので、事前に加入している保険会社に問い合わせてください。

等級の引き継ぎをした場合と、しなかった場合の保険料金の違いは?

それでは実際に等級を引き継ぐ場合と引き継がない場合とでは、トータルの保険料がどれだけ違うかを見てみましょう。

あなたは50歳で保険は20等級、最近18歳になった子供が運転免許を取って新たにクルマを購入すると仮定します。

何の手続きもしないと子供が自分名義で初めての自動車保険に加入することになりますよね。

その場合の保険料を試算してみましょう。

※車種はスズキ・ワゴンR(型式:MH44S)

主な補償内容は、

  • 対人賠償保険……無制限
  • 対物賠償保険……2,000万円
  • 搭乗者傷害保険……1,000万円

以上の様に設定し計算すると、

  • あなたの保険料(50歳・20等級)年間9,390円
  • 子供の保険料 (18歳・6等級)年間99,450円

支払い保険料の合計は108,840円になります。

これに対し、あなたの保険を子供に譲り、あなたは新たに別の保険に加入するとします。

子供の等級はいきなり20等級になりますが、あなたは6等級からのスタートになる為、このケースの場合、

  • あなたの保険料(50歳・6等級)年間26,780円
  • 子供の保険料(18歳・20等級)年間31,920円

合計は58,700円になります。

つまり50,140円もの差が出るのです。

これはあくまでも車両保険なしの場合ですが、もしこれに車両保険(115万円:免責5-10万円)を付けると、その差額は116,530円とさらに大きくなります。

まとめ

このように見ていくと等級の引き継ぎ制度を上手く利用すれば、相当な自動車保険料の節約になることが分かりますね。

しかし現状ではまだまだこのメリットに気付いていない人も多いのです。

その理由は「運転者年齢条件」や「記名被保険者年齢」といった年齢条件が、ノンフリート等級以上に保険料の算定に影響を与えるということがあまり知られていない為でしょう。

冒頭にも述べたように自動車保険の等級を家族に譲り渡すということは、今までコツコツ築き上げてきたものを失うようなものです。

しかし、それでもあなたの保険料が大きくハネ上がることはありません。

運手歴の長い40~50歳代は事故の発生率が低いと統計的に出ており、保険会社もそのデータを元に保険料を定めているからです。

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