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クラウンマジェスタは装備・燃費に優れた大型セダン!しかし立ち位置はロイヤルとレクサスLSの中間グレードに

「いつかはクラウン」のキャッチフレーズ通り、トヨタのラインナップの頂点に君臨するクラウンシリーズ。

シリーズの中でもトップエンドを担当するのがクラウンマジェスタです。

クラウンアスリートやクラウンロイヤルよりも後席を重視したパッケージングで、オナードライバーだけでなく、VIP向けの公用車や社用車にもよく使用されています。

国産車ではシーマ、輸入車ではメルセデスやBMWなどだけでなく、トヨタの中でもレクサスブランドと競合するなかで、クラウンマジェスタはどんな魅力を放っているのか気になるところです。

クラウンマジェスタってどんなクルマ?

1989年発売のセルシオと9代目クラウンの中間を埋めるモデルとして、1991年に初代クラウンマジェスタが発売されています。

2005年のレクサスの国内開業にともないセルシオはレクサスLSとしてトヨタのラインナップから外れたため、2004年発売の4代目クラウンマジェスタからトヨタの最高級モデルとなりました。

クラウンのネームは付いていますが独立した車種の扱いで、5代目クラウンマジェスタまではクラウンとは異なるサイズの大きい独自のボディです。

2013年に発売された6代目の現行クラウンマジェスタから、ホイールベースを延長したクラウンロイヤルと共通のボディを採用し、フロントグリルにも「クラウンエンブレム」を配して独立した車種ではなく、クラウンの一つのシリーズになっています。

全体のフォルムはクラウンロイヤルとほぼ同一ですが、伝統の縦方向のバーによるフロントグリルのデザイン、2灯式LEDヘッドランプ、バンパー下部やサイドのメッキパーツがクラウンマジェスタ独自の装備です。

フロントロアグリル奥には、車速やエンジン水温に応じて開閉してオーバークールを防ぎ、空気抵抗も低減する電動グリルシャッターが採用されています。

クラウンロイヤルより75mm伸ばされたホイールベースでクラウンより伸びやかなサイドフォルムが特徴です。

車体が伸びた分はそのまま後席足元に振られ、大型化したリアドアは乗降性も良く、リアシートは大人がゆったりと足を組める空間になっています。

クラウンマジェスタの性能と特徴、魅力について

足回りはフロントがダブルウィッシュボーン、リアはマルチリンク方式で重厚感のある穏やかな乗り味と車両安定性を両立しています。

減衰力を電子制御するショックアブソーバーと、ナビゲーション情報を組み合わせたNAVI・AI-AVSを採用。

ナビから車両前方のコーナー情報を得て、あらかじめショックアブソーバーの減衰力を最適制御することで安定したコーナリングを実現しています。

走行制御モードはスポーツ、ノーマル、エコ、スノーとモーターだけで走行するEVモードの5つから選択可能です。

VSC(横滑り制御)とTRC(トラクションコントロール)、アンチロックブレーキにステアリング制御も含めて統合制御するVDIMも装備し、高い予防安全性と運動性能を誇ります。

クラウンマジェスタ一番の魅力は乗り込んだ瞬間に感じる高級感でしょう。

クラウンシリーズとインテリアのデザインは同一ですが、多くの面積を占める木目調パネルなど表面の素材や仕上げが異なり質感は大幅にアップしています。

標準の本革シートはブラックとフラクセン(ベージュ系)の二色でインパネには8インチワイドのナビ画面の下に、5インチ液晶のトヨタマルチオペレーションタッチが装備され、空調コントロールと走行モードや走行支援機能などの車両設定をタッチパネルで操作が可能です。

前席センターには大型のアームレストを配置し、運転席と助手席の両側から開けられる大容量の収納にもなっています。

後部座席は40:20:40に分割された中折れ機構で、無段階にリグライニングできる電動パワーシートです。

後席サイドは手動、後部は電動のサンシェードが装備されます。

オーディオや空調などのコントロールスイッチが付くリアセンターアームレストも大型です。

安全装備にトヨタ・セーフティー・センス P

安全装備はミリ波レーダー+単眼カメラ方式で、歩行者検知機能がついたプリクラッシュセーフティシステム、車線逸脱しそうな場合に警告とステアリング制御を行うレーンディパーチャーアラート、ハイビームを状況に合わせ制御するアダプティブハイビームシステム、前車への追従走行も可能なブレーキ制御付レーダークルーズコントロールをセットにした「トヨタ・セーフティー・センス P」を全車標準装備しています。

グレード構成

グレード構成はシンプルです。

  • 「マジェスタ」:642.6万円
  • 2WDの上級グレード「マジェスタ“Fバージョン” 」:698.8万円
  • 4WDの「マジェスタFour」:657.7万円

マジェスタ”Fバージョン”とマジェスタFourの2グレードは装備が同じになります。

「マジェスタ」はシートがファブリックになり、電動リクライニング、サンシェード、リアコントロールスイッチ付アームレストなど後席周りの豪華装備が簡素化されています。

現行型からハイブリッド専用車に

先代までクラウンとの差別化の象徴だった4.6リッターV8エンジン(347ps)は、レクサス GS450h譲りの2段変速リダクション機構付3.5リッターV6+モーターのハイブリッドシステムへ変更されました。

エンジンは新世代の直噴D-4Sやアトキンソンサイクル、低フリクション化を採用し効率を高め、さらなる低燃費を実現しています。

システム出力は343psでV8エンジンとほぼ同等ですが、JC08モード燃費は先代の2倍以上となる18.2km/Lです。

プレミアムガソリン指定なのが残念ですがEVモードの静粛性は高く、いざとなればパワフルにも走れるハイブリッドは高級車に向いたユニットでしょう。

2014年に追加された4WDモデル「マジェスタFour」も、2.4リッター直4エンジン+モーターのハイブリッド(システム出力220ps)を搭載。

トルセンLSDを採用したフルタイム方式で通常は前後輪のトルクを40:60で配分、走行条件に応じて前後輪に50:50から30:70の間でトルク配分が可能です。

小排気量の4気筒エンジンを搭載したことで19.0km/Lと2WDモデルを上回る燃費になり、レギュラーガソリン仕様なのでお財布にも優しく。

VIPカーとしては微妙な位置づけ?

高級車としての性能や装備は備えているクラウンマジェスタですが、クラウンシリーズとの共通化が進みモデルとしての独自性は薄まっています。

2代目から続く縦型のリアコンビランプ、運転席のフロントヘッドアップディスプレイ、エアサスペンションなどクラウンマジェスタならではの装備が廃止され、先代では標準装備だった室内の本木目パネルも“木目調パネル”になっています。

後席の居住性や快適性はショーファードリブン(運転手付きの運用)として十分ですが、レクサスLSは後席を二人乗りとしてより高級感を増したモデルがあります。

先代クラウンマジェスタにも、リアに大型のセンターコンソールや左側後席に電動オットマン(足乗せ台)を装備したグレードがありましたが、現行モデルでは設定されていません。

後席に大型リアセンターアームレストは準備されていますが、収納式ということもありVIPカーとしてのステイタスとしては後退しています。

高級車には明確なヒエラルキーがあり、トヨタの中でもセンチュリーやレクサスLSはクラウンマジェスタより上位の高級車です。

価格面でもクラウンロイヤルより上、レクサスLSより下の「すき間」ポジションになってしまいました。

同じユニットを搭載するレクサスGS450hのスポーティで色気のある個性と比較しても、保守的なクラウンマジェスタのキャラクターは少しぼやけてしまっています。

まとめ

新規のユーザー層の取り込みも狙うクラウンアスリートとは異なり、長年クラウンだけを乗り継ぐユーザーに対して伝統を引き継ぐ「トップ・オブ・クラウン」を提案するのがクラウンマジェスタの大きな役割です。

VIPカーとしては中途半端なポジションですが、クラウンロイヤルより広い後席足元や質感の高い内装などクラウンの上級モデルとして納得できる内容です。

グローバル向けの大き目なボディサイズを持つレクサスよりも1,800mmの全幅は取り回しやすいサイズで、VIPカーとパーソナルカーとの両面を持っています。

平日は運転手付きで移動、休日のゴルフは自分でも運転する社長さんには喜ばれるモデルでしょう。

欧州ブランドやレクサスの都会的なホテルのスイートのような合理的・理性的なイメージの高級車にしっくりこない人には、老舗高級旅館のおもてなしを感じるジャパニーズセダンの最高峰クラウンマジェスタをおすすめします。

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