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フェアレディZは性能や演出には不満がある。Zの歴史にお金が出せる人が買う車!

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自動車に詳しくない人でも知っている車名のひとつにフェアレディZがあります。

1969年に初代が誕生し、40年以上引き継がれている日産のスポーツカーです。

歴代すべてのモデルは主に北米市場を中心に販売され、Zカー(ズィーカー)の愛称で親しまれています。

40年もの間ファンに支えられてきたのはパワフルなエンジン、FRレイアウト、スポーツカーらしいロングノーズショートデッキの流麗なスタイリングは引き継ぎつつ、常に最新の技術で最高の性能を手ごろな価格で提供してきたことが大きな理由です。

世界的な知名度を持つフェアレディZですが、6代目となる現行フェアレディZは歴史と伝統を守りファンの期待に応えるだけでなく、日産のイメージリーダとしてふさわしい車になっているのか気になるところです。

フェアレディZの歴史

フェアレディZの歴史は、ダットサン・フェアレディからフェアレディZとなった初代・S30/S31型(1969年~1978年)から始まっています。

S30のスタイルはそのままに正常進化させた2代目・S130型(1978年~1983年)、セミリトラクタブルランプを採用した3代目・Z31型(1983年~1989年)へと続きます。

ボディサイズを拡大し高級スポーツカーへ舵を切った4代目・Z32型(1989年~2000年)は11年間販売されましたが、販売不振の日産がルノーと合併し、不採算車種の整理のため2000年に後継モデルがないまま生産中止になっています。

世界中のZカーファンが落胆しましたが新しく日産の社長となったカルロス・ゴーン氏は、かつての愛車で思い入れの強かったフェアレディZの開発続行にゴーサインを出し、2年後の2002年に復活しました。

奇跡の復活を遂げた5代目・Z33型(2002年~2008年)は2シーターのみになりましたが、曲線を多用した流麗なデザインとハイパワーな3.5リッターV6エンジンを搭載した人気モデルです。

幅広い年代の人に様々な思い入れがある車で、50~60代以上の方なら初代S30にスカイラインGT-RのS20エンジンが移植された「Z432」。

40代ならドラマの西部警察で登場し、ガルウィングドアに改造された2代目S130「スーパーZ」が特に印象に残っているでしょう。

長引く不況や年々厳しくなる環境規制で、フェアレディZのライバルだったトヨタ・スープラ、ホンダ・S2000、マツダ・RX-8など日本のスポーツカーのほとんどが廃止された中、フェアレディZはいまも作り続けられています。

現行のZフェアレディZの国内販売台数も月販100台弱と厳しい状況ですが、歴史と伝統を引き継ぐフェアレディZという名前を守っていく日産の姿勢は、儲からないものはすぐやめてしまう他の日本のメーカーも見習ってほしいところです。

フェアレディZの性能と仕様

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2002年に復活を遂げた5代目から、2008年に現行6代目(Z34型)へバトンタッチされました。

スタイリングは伝統を受け継いでいますが、先代からホイールベースを100mm縮めロングノーズを強調するとともに、リアエンドの絞り込みを強くしています。

デザインの抑揚も大きく、Z33の伸びやかなデザインからグラマラスなエクステリアになりました。

ブーメラン型ヘッドランプでフロントはシャープな印象ですが、ルーフラインやバックドアは初代S30の雰囲気を感じさせるデザインです。

北米市場で要望の多かったロードスターも設計段階から考慮され、ルーフをたたんだ状態でも違和感のないエクステリアを実現しています。

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エンジンは先代の3.4リッターから拡大され、3.7リッター V6 DOHCエンジン(VQ37VHR)で最高出力247kw(336ps)、最大トルク365N・m(37.2kgf・m)となります。

VVEL(連続可変バルブ機構)を採用しハイパワーでありながら燃費も改善されたエンジンです。

ミッションはシフトダウン時にエンジン回転数を自動的にミッション回転数に同期させるシンクロレブコントロール付き6速MTと、マニュアルモード付7速ATが選択できます。

プラットフォームはスカイラインクーペをベースとしますが、ホイールベースを短縮したため、ほとんどが専用設計ボディです。

設計変更によりZ33でリアサスペンション付近の剛性を高めるためにリアラゲッジを横切っていたフレームは廃止され、ラゲッジの使い勝手も向上しています。

各部へのアルミニウムの多用によりエンジン拡大分の重量増を相殺し、車重は1.5トン台と先代とほぼ同じになりました。

グレードは4種類+NISMOで、

  • ベースモデル
  • Version T
  • Version S
  • Version ST
  • NISMO

となり、価格は383.2万円~629.3万円と高級車の価格帯に近いです。

フェアレディZは価格に見合った性能なのか?

フェアレディZとしてのお約束は守られてますが、NISMO(618~629万円)を除く2座スポーツクーペとして400万円台になる価格となると、それだけの価値を持っているかが気になります。

運動性能を支えるサスペンション形式はフロントがダブルウィッシュボーン、リアはマルチリンクで路面の追従性が高いです。

高速走行向きの締まったセッティングながら快適性にも考慮したレベルの高い足回りで、ホイールベースを短縮したおかげで回頭性がよくなり、ハンドリングもレスポンスが向上しました。

パワートレインのスペックは問題ありませんが、スポーツカーとしての命でもあるドライバーとの対話性やフィーリング面での仕上がりはイマイチです。

VQ37VHRエンジンはレスポンスが悪く、吹き上がりもガサついた雑味がありスムーズさはありません。

マニュアルミッションもシフト時に力を入れ押し込む感触で、吸い込まれるようなフィーリングは期待出来ないでしょう。

更にがっかりするのが内装です。

先代より全体の質感は向上していますがデザインは凡庸で、特にエアコンやオーディオのノブやスイッチは今どきの軽自動車の方が立派です。

伝統の3連丸形メーターを継承していますが、はめ込んだような時計やドライブコンピュータなどのデジタル画面が安っぽく全体の雰囲気を壊しています。

総額400万を超えるモデルとしては、一体感のあるドライビングフィールやスポーツカーとしての高揚感を刺激する内装の面で特に不満を感じました。

フェアレディZの維持費は?

燃費は改善されたとはいえ9.0~9.2km/L(JC08モード)、無鉛プレミアムガソリン指定なので通勤など走行距離が伸びる乗り方の場合、燃料代にはそれなりの覚悟が必要です。

自動車税は排気量3.5L~4.0Lクラスで年額66,500円となり、エコカー減税は適用されません。

任意保険については運転者の条件の方が金額に幅がありますが、ハイパフォーマンスなスポーツカーは車両保険が高めで、通販型の保険では断られる場合もあります。

初期費用や車検費用は通常の3ナンバー車と変わりはありませんが、大径のハイグリップタイヤですのでタイヤ交換時の費用は\25,000/1本程度と高価になります。

フェアレディZは買うべき車か?

全長を縮めたパッケージや足回りの面は、ワインディングを俊敏に駆け抜けるスポーツカーを目指しているにも関わらず、パワートレインは実用車のフィーリングで「もっさり感」が残ります。

ハイパワーですが、北米の長い直線道路をATで高速クルージングするのに適したパワートレインです。

Z34フェアレディZに感じる違和感は、スポーツカーとしてのチグハグ感からきています。

専用設計のシャシーやZを印象づけるエクステリアにコストがかかるのは理解できますが、目に見える部分や手に触れる部分での上質さや演出が足りないばかりに、購入する側にとっては割高に見えます。

ただスポーツカーはライバルとあれこれ比較し損得で買うものではなく、フェアレディZが長年紡いてきたストーリーも含めて思い入れがあれば、Z34フェアレディZは十分満足できる車です。

まとめ

フェアレディZというネームはスポーツカーとして世界中に浸透していますが、ポルシェやBMWのように購入することでステータスが得られるブランドにまではなっていません。

Z34型はフェアレディZとして及第点ですが、まだまだコンセプトの見直しが必要です。

Z34も9年が経過しモデルチェンジが近づいていますが、次期モデルZ35型では「これぞフェアレディZ」と納得でき、新たな伝説となるようなモデルになることを期待します。

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