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自動車保険の等級制度の仕組み – 割引率はどれくらい?

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あなたは自動車保険の「等級」がいくつあるのかご存知ですか?

もし運転歴の長いドライバーなら「自分は20等級で保険料の割引率は最大だよ」などと即答できる人もいるでしょう。

15年以上無事故運転を続けると等級は最高の20等級になりますので答えは「20」ですよね。

では自動車保険の『割引率』は何種類あるのか?という質問にはどう答えますか?

この場合「20種類」と答えると不正解です。

この質問に間違って答えてしまった人は、自動車保険が改定されたことをご存知ない可能性があります。

2012年頃から等級制度が見直され、ほとんどの損害保険会社が割引率を改定しました。

この見直しの理由は「事故を起こした人と無事故を続けている人との不公平感を無くす」というものです。

それでは具体的に割引率はどのように変わったのでしょうか?

今まで等級の仕組みについて知らなかった人も、この機会に知っておいて損はないですよ。

ノンフリート等級とは

これからご説明する一般的な自動車保険の算定基準は、別名「ノンフリート等級」とも呼ばれています。

これは個人を対象とした自動車保険の契約をノンフリート契約と呼ぶことからきているもので、それに対して法人などが10台以上の自動車保険の契約をする場合は「フリート契約」といって等級制度とは全く違う算定基準になります。

(1)自動車保険の等級と、割引率の関係は?

冒頭にも触れましたが自動車保険には20の等級それぞれに割引率が定められており、等級がアップするほど割引率が上り支払い保険料が安くなる仕組みです。

初めて自動車保険に加入した人は6等級からのスタートで、その時点で19%の割引になっています。

自動車保険の等級ごとの割引率(新旧)

新旧割引率の表

等級 旧割引率 新割引率

(事故有りの場合)

新割引率

(事故無しの場合)

1等級 +52% +64%
2等級 +26% +28%
3等級 +10% +12%
4等級 -1% -2%
5等級 -10% -13%
6等級 -17% -19%
7等級 -23% -30% -20%
8等級 -28% -40% -21%
9等級 -33% -43% -22%
10等級 -37% -45% -23%
11等級 -40% -47% -25%
12等級 -44% -48% -27%
13等級 -47% -49% -29%
14等級 -50% -50% -31%
15等級 -52% -51% -33%
16等級 -55% -52% -36%
17等級 -57% -53% -38%
18等級 -59% -54% -40%
19等級 -61% -55% -42%
20等級 -63% -63% -44%

上の表は3年目以降の継続契約に適用される正式な割引率であり、加入1年目と2年目の新規契約の場合は、これとは異なる経過措置期間用の割引率が適用されます。

こちらの料率も新しくなりましたので以下に掲載しておきます。

新規契約の経過期間用割引率

等級 全年齢補償 21歳以上補償 26歳以上補償 年齢条件対象外
6等級 +28% +3% -9% +4%
7等級 +11% -11% -40% -39%

(2)事故を起こした時の割引率が変更された

2011年までは上の表の「旧割引率」のように、20の等級ごとの割引率は1種類ずつしかありませんでした。

従来のケース

18等級(54%割引)の人が事故を起こす→3等級ダウンの15等級(51%割引)

改定後のケース

18等級(54%割引)の人が事故を起こす→3等級ダウンの15等級「事故有」の料率(33%割引)

2年後に16等級、3年後に17等級と等級は上がっていきますが、割引率に関しては4年後に元の18等級に戻るまでは「事故あり」の割引率が適用されることになります。

3等級ダウンの事故を起こした場合、一件の事故につき向こう3年間の割引率が低くなってしまうので、これまでより高い保険料を払わなければなりません。

また1等級ダウンの事故の場合は事故1件につき1等級下がり、事故ありの割引率が1年間適用されます。

事故ありの割引率が適用されている期間中に再び事故を起こした場合、事故あり割引率が最長6年まで延長される仕組みになっているのです。

これらの割引率の改定により、同じ等級でも無事故を続けてきた人と事故を起こした人とでは、支払う保険料に相当の差額が生じる事になりました。

無事故の人が15等級から3年間に支払う保険料と、事故を起こして18等級から15等級にダウンした人の保険料を対比してみましょう。

保険料の対比

年数(等級) 事故無(割引率) 事故有り(割引率)
1年目(15等級) 76,270円(-51%) 103,310円(-33%)
2年目(16等級) 74,760円(-52%) 98,800円(-36%)
3年目(17等級) 73,260円(-53%) 95,790円(-38%)
3年間の合計 224,290円 297,900円

※車種はトヨタプリウス・26歳以上補償・対人対物無制限・車両保険100万円の場合

このように同じ等級でも事故ありと無事故では、3年間で73,610円もの差額が生じるようになっています。

この差額は事故を起こしたドライバーに対するペナルティのようなものですので、もし事故を起こした際はこのことを頭に入れて保険金を請求するかしないかを慎重に検討したほうが良いでしょう。

事故を起こしても等級を下がらないケースはあるの?

交通事故を起こした時のリスクは従来より格段に高くなりました。

しかしどんな事故を起こしても絶対に等級が下がるというわけではありません。

任意保険の場合「事故を起こして等級が下がる」というのは、「事故を起こした際に保険を請求し、保険金が支払われた結果によって等級が下がる」という意味なのです。

いくら事故でクルマが壊れても、自腹で修理したりして保険金を使わなければ等級は変わらりません。

また他車との衝突や自損事故の場合は3等級ダウンになりますが、火災や台風、洪水や竜巻などによる事故や、落下物による窓ガラスの破損、イタズラなどが原因の事故や盗難などは「1等級ダウン事故」となり、たとえ保険金を請求しても下がるのは1等級だけです。

これらのケースも以前は「等級据え置き事故」と呼ばれ、保険金が支払われても翌年の等級はそのままという扱いだったのですが、改定により「等級据え置き事故」自体が廃止され「1等級ダウン事故」となりました。

この「1等級ダウン事故」で保険を使った場合は1年の間「事故あり係数」の割引率が適用されます。

事故の種別はこれ以外に「ノーカウント事故」というものもあります。

これは搭乗者傷害保険、無保険車傷害保険、人身傷害補償保険やファミリーバイク特約、弁護士費用特約、代車費用担保特約、携行品損害担保特約といった保険、特約が適用されるケースの事故のことを表します。

これらのノーカウント事故は保険を使っても、次年度の等級は無事故と同じようにアップします。

基本的に搭乗者傷害保険、人身傷害補償保険は過失割合に関係なく保険金が支払われる保険ですが、この場合でもこちらに過失があって、自分の保険の対人・対物賠償保険を使うケースになると等級はダウンしてしまいますので注意が必要です。

保険会社を変えた場合、等級はどうなってしまうの?

等級制度について勘違いしやすいのは「保険会社を変えると等級もリセットされてしまうのか?」ということです。

答えを先に言うと、そんなことにはなりません。

最近は保険会社にも様々な企業が参入し国内資本だけでなく外資系の保険もありますし、従来の代理店型に加えてダイレクト型保険会社も増えました。

他には損保会社以外にも全労済の共済やJA共済などの自動車保険もあります。

全ての保険会社で加入者の等級などの情報は共有していますので、たとえ自動車保険を乗り換えても現在の等級は引き継ぐ事が可能です。

但し一部の共済などでは引き継ぎができなかったり、特別な手続きをする必要がある場合もありますので、心配な方は事前に問い合わせたほうがいいでしょう。

等級情報が共有されているので、保険料を安くしたいがために「本当の等級より高い等級を申告して契約する」や「前契約期間に起こした事故を隠して契約する」事は不可能です。

自動車保険の契約期間が終了すると等級もリセットされるの?

自動車保険には契約期間がある為、それを過ぎると契約が消滅します。

保険証券にも、有効期間は「契約満了日の午後4時まで」などと明記されているので、しっかりとチェックしましょう。

つまり更新しないままこの期日を過ぎてしまうと自動的に保険は解約され、これまで積み上げてきたノンフリート等級もリセットされてしまうのです。

通常は満期日が近付くと損保会社の担当者から連絡があったり、更新時期を知らせるハガキが来るので「更新を忘れて保険が失効してしまった!」という事ははまず起こりません。

心配な人は「自動継続特約」などもありますので、契約されている保険会社に問い合わせてください。

まとめ

昨今自動車保険業界は通販型保険会社の参入により年々リスク細分化の方向にシフトしています。

従来の等級システムや年齢条件に加え、クルマの使用目的や年間走行距離、免許証の色やネット申し込みによる割引など様々な要素を設けて価格競争を繰り広げてきました。

ドライバーにとっては保険料の値引きにつながるものは大歓迎ですが、その一方で先の改定のように「事故あり係数」の導入など、保険料の負担増につながる変更も行われています。

自らが所有するクルマに傷を付けて不法に保険金を請求するという事件が急増しているのも、保険料改定の一因になっているのでしょう。

自動車保険というものは使えば使うほど等級がダウンし、支払い保険料は増えます。

先の割引率の見直しは更にその傾向に拍車をかけるものです。

しかし保険を使わなければ保険料は従来と同じか安くなっています。

少しでも自動車保険を節約したいなら、事故を起こさない様に安全運転を心がける事が一番の近道でしょう。

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