3度の飯よりクルマが好き!

スバル・レヴォーグの特徴と魅力!現役技術者がライバル車と比較!

レヴォーグ

レガシーに代わりスバルが投入したツーリングワゴン専用モデル、レヴォーグ。

ミニバン全盛期の日本自動車市場において、ツーリングワゴンを作り続けるスバルのこだわりを感じるモデルです。

1.6Lのダウンサイジングターボ搭載の1.6GTシリーズとスバルのアイデンティティであるフラット4エンジン搭載の2.0Lターボ・2.0GTシリーズ。

この2種類のエンジンはどのように違うのでしょうか?

価格面でも開きのあるレヴォーグはどのモデルがベストバイなのでしょうか。

レヴォーグの特徴

初代レガシーは国内専用車として開発されました。

1990年代レガシーは

全長4620 全幅1690 全高1490 ホイールベース2580(mm)

のサイズでその歴史をスタートしました。

RVブームでパジェロが売れに売れた時代を引き継ぎ、RV車から乗り換えやミニバンを好まないユーザーがレガシーを選んできました。

適度なサイズで高い走行性能のツアラーとして2005年ごろまで、年間7~8万台の国内販売台数を維持しワゴン市場を牽引するヒット作となったのです。

一方で、日本の自動車市場は縮小を続けていた為に、スバルもグローバル化を加速します。

自動車は北米、中国が2大マーケットと言われていますが、主に米国人の体格、北米の道路事情、衝突安全性能のトレンドに従い、サイズが拡大され、日本特有の立体駐車場や狭い路地での使い勝手は優先度が下げられてきました。

レガシーの最終モデルとなる5代目では、1代目に対して

全長+170(4790) 全幅+100(1780) 全高+45(1535) ホイールベース+170(2750)(mm)

まで拡大します。

この大型化は北米市場では受け入れられた一方、日本では好みやトレンドの変化で最盛期の1/4程度年間2万台まで販売販売台数が減少します。

少し話はそれますが、スバル車にこだわるユーザーを「スバリスト」と呼ぶことがあります。

WRCで活躍したスバルの歴史に誇りを持ち、自らもサーキットやワインディングを走る等でドライビングを楽しみ、(実際に所有しているかどうかは別ですが)インプレッサWRX等のスパルタンな仕様のモデルを好む、根っからのクルマファン、スバルファンの事を指す呼び名です。

北米重視の流れがある一方で、結果として軽視されることになってしまった日本国内には、スバルの財産であるスバリストの存在があります。

レヴォーグは、日本のスバリストのために開発され、(当初は)日本専売モデルとして投入されたのです。

レヴォーグのサイズ

その為、かつてのレガシーにサイズを近づけるため、5代目レガシーに対して

全長-100(4690) 全幅±0(1780) 全高-45(1490) ホイールベース-100(2650)

へダウンサイズされました。

取り回しが良くなり、低い全高と水平対抗エンジンが相まって低重心化が図られています。

低重心化は、スポーツ走行時に有利であるだけで無く、雪道等の悪路走行時、車両を制御しやすくするメリットがあります。

一方、全幅は変わっていません。

日本の道路事情に合わせると幅も小さくして欲しいですよね?

しかし、昨今の車両サイズ拡大トレンドに従い、道路や駐車場の方がサイズ拡大している為、実害無いためワイドボディを保っています。

このロー&ワイドにより走行安定性は高く、高速コーナリングや悪路走行時のふらつきなどを抑える事が容易になります。

また、ボディサイドの凹凸にスペースを使う事が出来るため、張り出したタイヤにブリスターリアフェンダーでスタンスのしっかりしたデザインにする事が出来ています。

まとまり感のあるインテリア

インテリアについてスバル車のイメージはチープで、レガシーも例外ではありませんでした。

樹脂打ちっぱなしで地味な色、デザインもイマイチ。エンジンやAWDの性能が非常に高く評価され、エクステリアデザインも良い反面、インテリアを見て触れたときの落胆は大きいものでした。

仕立ての良いものを好む日本人の為に、レヴォーグは、手のひらの収まりの良い太さや形状でスポーティーなステアリングや、心地のよいホールド感があり本皮や合皮(かつてのアルカンターラ風の素材)等、高級素材を使ったシートで、ブルーのステッチを入れる等、細部のデザインに拘りが見てとれます。

乗り込むとタイトな印象を受けますが、安心感のある空間に仕上げられ、スバルらしさをスポイルしない、クールなデザインになっています。

(アルカンターラは現在はイタリア国内で生産されたものだけに使われる商標になっています)

広大なラゲージスペース

特筆すべきは荷室容量です。

レヴォーグは552L(VDA方式)確保しています。

これはアウディA6(565L)、メルセデスEクラス(531L)等格上の車両並みの容量です。

構造上、荷室にリアサスペンションの取付け部分が張出してきますが、レヴォーグの左右のリアストラット間の寸法は1080mm。

一方で例えばAUDI A6は全幅が1875mm(レヴォーグ+95mm)ですがストラット間寸法は1030mm(レヴォーグ-50mm)です。

車名 レヴォーグ アウディA6
全幅(mm) 1,780 1,875
ストラット間寸法(mm) 1,080 1,030

1980年代からスポーツワゴンを作り続けているノウハウがあるからこそ、シャシー性能とラゲッジの広さの両立を実現できています。

レヴォーグの荷室長は1632mmですが、前席を前側にスライドすれば車中泊も可能なほどのスペースを確保しているのです。

グレードによるエンジンの違い

1.6Lエンジンの特徴と燃費性能

エンジンのバリエーションは2つ。要求が高く幅の広いスバリストの期待にこたえる効率のよいラインナップです。

1.6Lエンジンは欧州メーカーが先行しているいわゆるダウンサイジングターボエンジンです。

かつての出力重視で、シリンダーの中により多くの「燃料」を詰め込む加給ではなく、限られたガソリンを吹き込んだシリンダー内に「空気」を加給し、少ない燃料で出力を稼ぐコンセプトです。

レヴォーグの1.6Lエンジンの出力は、125kwを4800rpmで発生させ、最大トルクは250N・m、1800rpmから発生します。

市街地でのストップ&ゴーの繰り返しもトルクがある為快適にこなせ、高速道路の合流で危険な思いをする事も無い、バランスの取れたエンジンです。

燃費のベンチマークであるプリウスが40.9km/Lの状況で、レヴォーグは17.6km/Lと見劣りしますが、燃費の悪かったレガシーやインプレッサを知るスバリストにとっては許容できる数字といえるでしょう。

このエンジンで特筆すべき事は、ターボエンジンでありながらレギュラーガソリンが使える事です。

2.0Lエンジンの特徴と燃費性能

一方で、2.0Lエンジンは、スポーツ走行を意識したハイパワーエンジンです。

出力は221kwを5600rpmで発生さ、最大トルクは400N・mを2000rpmから発生します。

1.6Lと比較して高回転型のエンジンで、強烈なトルクで体がシートに押し付けられる感覚と共にいつの間にか高速域に達する、スバルらしいユニットです。

8段クロスレシオで変速速度を速めた、ダイレクト感のあるトランスミッションと、アウディなどで採用されているデュアルクラッチトランスミッションの様な操作感と組み合わさって、タイトなコーナーが連続する山坂道やサーキットでスポーツドライビングが楽しめます。

どのエンジンを選ぶべきか?

1.6Lを選ぶべき人

スバルの車を選ぶ方は程度に差はあれ車好きな方、モータースポーツ好きな方が多いです。

しかし、その全ての方がスポーツ性能を求めているわけではありません。

端正なフェイスデザインと折り紙つきの4WD性能は評価していても、平日は奥さんが子ども達の送り迎えに使ったり、(年配の)両親を乗せたりする使い方を優先する方も多いでしょう。

そういう使い方をする場合、穏やかなエンジン特性で、燃料代が安い方が嬉しいですね。

海沿いにツーリングに出かけるくらいであれば十分な性能がありますので、日常の使い勝手、維持コストを気にされる方は1.6Lを選ぶべきでしょう。

2.0Lを選ぶべき人

一方、走る事を楽しみたい方は2.0Lエンジンを迷いなくお勧めします。

サーキットやワインディングを走る方だけではなく、長距離移動が多い方にも適します。

400N・mものトルクが2000rpmから発生しますが、これにより、高速道路の巡航時にエンジン回転数を低く抑え、振動が少なく静かな室内環境で過ごす事ができます。

つまり疲れにくくなります。追越しなどで加速が必要な場合もストレスを感じないばかりではなく、気持ちのよい加速を楽しむ事が出来、メリハリがあり退屈しないドライブが出来ます。

スバルアイサイトは本当に安全なの?

スバルのアイサイトは、安全運転の補助装置であり、自動運転をしてくれるものではありませんが、ITALDA(交通事故総合分析センター)の公表するデータでは、自動ブレーキ付き車は事故6割、特に追突に関しては8割低減されたというデータが示されています。

安全性は実績のデータが示してくれています。

また、全車速追従機能付きクルーズコントロールを備えていますので、長距離移動時にメーターを見る回数、ブレーキアクセル操作をする操作が劇的に減ります。

ドライバーはハンドルを握って前を見て、周辺を監視しているだけで良いため疲労軽減効果が非常に高く、結果的に安全運転に寄与できるシステムです。

オススメのグレードとその理由

levorg2.0

私の好みでは、2Lエンジンのモデルをお勧めします。

理由はエンジンに加え、ダイレクト感にこだわったトランスミッションの存在です。

現在はアウディを所有していますが、選んだ理由がSトロニック(DCT:デュアルクラッチトランスミッション)でした。

独身時代はMT車を好んで選択していましたが、結婚を期に(妻の為に・・・)オートマを選ぶ必要に迫られました。

どんなにエンジンが良いと言われても、ATやCVTのような変速が遅くダイレクト感の無い、ぬるい車は好みに合いません。

私は長距離移動が多いため、高速道路で退屈しない為にメリハリをつけて運転します。

レヴォーグは余裕のあるトルクフルなエンジンで低回転のまま加速できる実力がありますが、時にはエンジンを回したくなるものです。

メーターの上での加速だけでなく、音、変速フィールを楽しみ、高速域に達したらシフトアップし巡航モードへ。巡航時はトルクフルな特性を生かし、低回転で静かな室内で過ごす事ができます。

STIが出るまで待つべきか?

STIモデルは購入候補には上がりません。

断っておきます私は購入しないというだけで、スバル車にとってSTIの存在はなくてはならない特別なグレードであることにかわりはありません。

スポーツグレード且つフラッグシップとしての存在感は、メルセデスベンツのAMGほど高級路線ではありませんが、ラインナップにあることでレヴォーグという車の魅力を高め、選ぶ楽しみを与えてくれる価値を持ったモデルになることが期待できます。

早期にラインアップに入ることを願っています。

私のように妻とクルマを共有する場合にはSTIは趣味性が高すぎる為、候補から落ちてしまうのが残念です。

ライバル車との比較

レガシーに人気が集中しすぎた為か、トヨタカルディナや日産ステージア等の国産ブランドのスポーツワゴンの多くが廃盤となりました。

その為、今となってはワゴンといえば欧州系の車種がメインです。その代表格のフォルクスワーゲンと、日系では欧州で強いマツダをピックアップします。

アテンザXDと比較

atenzaxd

レヴォーグが優れている点

特に女性からデザインの評価が高いアテンザですが、四駆性能ではレヴォーグが優れます。スキー場の駐車場がスバルだらけになる事が、4WD性能のお客様信頼度の高さを示していますね。

劣っている点

一方、レヴォーグのデザインは丹精な顔立ちやブリスターフェンダーが男性受けするデザインです。

好き嫌いがはっきり別れるため、車の購入決断を下す奥さま方には、アテンザのユニセックスでエレガントなデザインの方が選ばれやすいです。

ゴルフヴァリアント

golfvariant

レヴォーグが優れている点

ラゲッジの使い勝手です。ラゲッジボード上の容量は大差無いものの、ボード下33Lのサブトランクはレヴォーグにしか無く、釣り道具やアウトドアーの小物を納めておくのに重宝します。

劣っている点

一方でレヴォーグと比べると、ゴルフはドイツ車らしいスクエアーで贅沢な材料を使った内装の質感が高評価です。

ドア閉じ音や、スイッチの操作音まで統一された音質で高品質感があります。トランスミッションはゴルフのDSGのカッチリした操作感がすばらしく、試乗をお勧めしたくなります。

まとめ

以上をまとめて、購入を前提にグレードを選ぶとすると、2.0GTアイサイトが良いです。パワフルな2.0Lエンジンに加え、スポーツリニアトロニックが備わっています。

GT-Sも魅力ですが、ビルシュタインのサスペンションの良さを体感する機会は、私のライフスタイルでは少ない為と思い除外します。

高性能モデルを差し置いて「ほどほど」を選択したくなるのは、STIのカリスマ性のおかげです。

自分に合った物を吟味する事を楽しむ、大人な自分を感じながら買い物を楽しませてくれるのも、レヴォーグの一つの魅力ですね。

スポンサーリンク