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メガーヌの高性能モデル ルノー・スポール273を徹底解説!

メガーヌ ルノー・スポール273はメガーヌのクーペ(日本には未導入)をベースに、ルノーのモータースポーツ部門であるルノー・スポーツが開発と生産を行うハイパフォーマンスモデルです。

ニュルブルクリンク・ノルドシュライフェ(北コース)で2014年にFF市販車最速タイムを叩き出した「メガーヌR.S.トロフィーR」と同一のエンジンを搭載し、イメージリーダーとしてだけのモデルではなく、本格的なスポーツ性能をもっています。

モータースポーツにかけるルノーの情熱を色濃く反映した、メガーヌ ルノー・スポール273のハイスペックな実力を徹底解説します。

メガーヌ ルノー・スポール273とは

メガーヌ ルノー・スポール273(RS273)は3ドアのファストバックスタイルで、キャビンはリアに向け大きく絞られクーペらしい流麗なフォルムです。

235/40ZR18のタイヤを履くために広げられたフェンダーや、リアセンターの大型チタンエキゾーストがハイパフォーマンスモデルであることを主張しますが、それ以外は控えめな印象になります。

大型のリアウィングや、ボディに開けられたエアロインテークやベントなどは無く、フロントバンパー内のF1タイプエアインテークブレード、ルーフエンドスポイラーの整流フィンやリアディフューザーがさりげなく高性能車であることを主張する程度です。

RS273は\3,990,000のモノグレードで、ボディカラーはイメージカラーのジョン シリウスMと名づけられたイエロー(\156,600)、ホワイト(\21,600)、レッド、ブラック、グレーの5色が準備されています。

搭載するパワーユニットは、F4R型2リッター直列4気筒DOHC16Vターボエンジンで、最高出力はモデル名の由来となった273ps(5,500rpm)、最大トルクは36.7kgm(3,000rpm)となります。

先代モデルよりも8psアップ、トルクバンドも広くなったことで高速コーナーでのシフトチェンジを最小限にし、高回転域ではターボパワーが炸裂するレーシングスペックのエンジンです。

エキゾーストノートは迫力のある低く太い音にチューニングされ、ドライバーの気分を高ぶらせます。

組み合わせるミッションはシフトストロークが短く、カチッとしたフィールの6速のマニュアルミッションのみです。

左右のトラクションをコントロールし、高い操舵性をもたらす機械式LSD(リミテッドスリップデファレンシャル)が標準装備になります。

ボディサイズは、全長4,320mm×全幅1,850mm×全高1,435mmのロー&ワイドなディメンジョンです。

ワイドタイヤを履くため、全幅はベースモデルから40mm拡大しています。

車重は1,420kgで、パワーウェイトレシオは5.2kg/ps、0-100km/h加速は6.0秒、0-1000m加速は25.3秒の俊足です。

走りの為に装備が削られている事は無い

防塵フィルター付き2ゾーンエアコン、パワーウィンドウ、オートライト&ワイパー、バックソナー、サテライトスイッチ付きCDチューナラジオ(MP3/Bluetooth対応)などの快適装備も、コンベンショナルモデルとはいえ落とされてはいません。

レーシングライクなスペックからは想像できませんが後席は3人掛け、閉塞感はありますが大人が余裕で座れる空間があります。

トランクも344Lとメガーヌ ハッチバックと同等の容量があり、6:4分割可倒式のリアシートバックと合わせて実用性も問題ありません。

ベースモデルとの差は?

ベースモデルと比較して大きく異なるのは、レース競技車両のノウハウがフィードバックされたシャシーの採用になります。

本国では2種類あるシャシーのうち、よりコンペティショナルな「シャシーカップ」を採用、フロントサスペンションはオールアルミ製の強化ロアアーム、アンチロールバーや専用アクスルを追加したダブルアクスルストラットです。

フロントには強大なストッピングパワーを持つ4ポッドのBrembo製モノブロックレッドブレーキキャリパーとブレーキディスクを装備し、電動パワーステアリングもレスポンスのよい専用設定になります。

RSモニターはインパネ上のモニター表示パネルのデジタルゲージに、ブースト圧 、スロットル開度、トルクやパワー、オイルや吸気の温度などを表示するほか、LAPタイムや0-100km/hタイムのなど計測が可能です。

ESC(横滑り防止装置)はスポーツモードへの変更とカットオフができ、アクセルペダルマッピングとエンジン回転数の調整を行えます。

アクセルペダルマッピングはロードホールディング状態や路面状況に応じて5段階に調整可能です。

滑りやすい路面向けに最も穏やかなアクセル感度になる「SNOW」から「PROGRESSIVE」「LINEAR」「SPORT」と段階的にスポーティーな設定となり、最もアクセルレスポンスが良くなる「EXTREME」はサーキット走行向けのシビアなセッティングになります。

スピードメーターは290km/hまで刻まれ、4,000~6,000rpmの間でシフトアップタイミングを知らせるタコメータ内のインジケーターの作動タイミングも、50rpm刻みで設定することが可能です。

インテリアではダッシュボードに赤いライン、レザーステアリングにも赤いステッチと0時位置に白いラインが入り、スポーツ性をアピールします。

フロントシートはサーキット走行でも体をしっかりサポートするレカロ製バケットシートが装備され、+\100,000でファブリックからレザー表皮に変更が可能です。

ラバーの滑り止めのついたアルミペダルやシートベルトもレッドとなり、ドアを開けると「RENAULT SPORT」ロゴ入りのアルミキッキングプレートが輝きます。

気になるデメリット

後ろに大きくはねあげたサイドウィンドウのラインや、大きく寝かされたリアハッチバックのおかげで、後方と斜め後方の視界は最悪です。

左折時の巻き込み確認やレーンチェンジ、車庫入れなどの後退時には十分な注意が必要になります。

バックソナーは準備されますが、安全のためにはアクセサリーで準備されるリアカメラは必須です。

ただしベースモデルが古く、インパネはディスプレイ内蔵を前提としていないデザインになります。

そのためリアカメラとセットとなるナビゲーションの取り付けは、PNDタイプをオンダッシュで取り付けることになり、後付け感が高く見栄えが悪いです。

安全装備が古い

安全装備は運転席&助手席のエアバッグに加え、サイド&カーテンシールドエアバッグも装備されますが、自動ブレーキなどのプリクラッシュセーフティシステムやレーダ式のアダプティブクルーズコントロールは装備できません。

エキゾーストノートが近所迷惑に

また、静かな住宅地にお住まいの場合は、早朝や深夜の野太いエキゾーストノートは近所迷惑になるかもしれません。

リアルスポーツカーの演出としては必要不可欠ですが、購入前に音量も確認しておくことをおすすめします。

標準モデルのほかに限定車が2種類

RS273には、特別な装備を装着した限定モデルが2種類準備されています。

一つは「RS273トロフィー2」でエンジンのスペックや主要装備は同一です。

RS273トロフィー2に追加される装備

  • カーボンエンドが付くアクラポヴィッチ製チタンマフラー
  • レカロシート
  • ステアリング・シフトノブ・サイドブレーキハンドルがアルカンターラレザーへ変更
  • フロントに「TROPHY」ロゴが入ったエアインテークブレード

※トロフィー2の運転席周り※

価格は\4,220,000で、150台の限定販売です。

RS273トロフィーSに追加される装備

もう一台は「RS273トロフィーS」で、ニュルブルクリンクのレコードモデルに最も近い仕様になります。

トロフィー2の装備に加え、オーリンズ製調整式ダンパーとスピードライン製19インチアルミホイールが装着され一層スパルタンなイメージです。

標準モデルとトロフィー2は右ハンドル仕様のみですが、トロフィーSはレコードモデルに敬意をはらった左ハンドル仕様のみとなり、価格は\4,590,000で50台の限定発売になります。

まとめ

現在のニュルブルクリンクのFF市販車最速のレコードホルダーはホンダのシビックタイプRになってしまいましたが、 RS273のパフォーマンスが衰えたわけではありません。

もう1台のライバルVWゴルフRは4WDに加え、最新のハイテク技術でハイパワーを制御しています。

RS273は最新の電子制御デバイスは搭載されていませんが、機械的な技術の洗練のみでトップパフォーマンスを実現し、より人間の感性に近いドライビングプレジャーを感じることが可能です。

新型の4代目メガーヌは2016年に欧州で発売されており、RS273の生産も既に終了し在庫車のみとなります。

またコンパクトクラスのルーテシア ルノー・スポールは新型で6速DCTミッションへ変更となり、RS273も新型では2ペダル化される可能性が大です。

これだけの性能を持つFFハイパワーモデルのネイキッドな魅力を、400万というお手頃価格で愉しめるのも、おそらく今が最後でしょう。

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