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ミニバンって不要なクルマなの?その中途半端さこそが最大の武器

ミニバンって本当に不要なのか?

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家族も荷物もたくさん詰めることで、2000年代の自動車トレンドとなっていたミニバン。最近はその勢いに陰りが見え出し、SUVにその人気が移りつつあります。

7人乗りで荷物も詰めるファミリー向けのクルマは、少子化晩婚化で需要が先細りし、近年の低燃費環境思考とも逆行する経済性の悪さが目立ってしまっています。

子育てはスライドドア、という不文律が崩れ、SUVのヒンジドアでもOKを出してくれる奥さんが増えてきたことにも驚きを隠せません。

そんなミニバンの市場の動向も変わりつつあり、デコレーションした貨物車からの脱皮を図っています。

安全性や燃費、運動性能と散々に言われているミニバンですが、もう少し公平にミニバンというクルマを評価して見ると色々と見えてきますよ。

ミニバンは成熟市場に

一昔前のミニバンといえば、貨物車の内装を普通車に張り替えただけのひどい乗り心地のクルマばかりでした。

車体が大きいから必然的に車両価格が上がり、貨物車向けの足回りをちょっといじったくらいのロールがひどい足回り。室内空間を広く見せるために天上を高くして、規格に見合わないほどノッポになったモデル。

昔のミニバンの乗り心地の悪さはひどいもので、子供の頃ミニバンに乗って車酔いした経験がある人も少なく無いと思います。

背が高いためコーナリングの安定性が悪く、雨の日の高速コーナーは横転の危険性もあったことから、クルマ好きからはとにかく危険なクルマという烙印を押されていました。

車体制御、安全補助システムの登場

これはミニバンだけの話ではありませんが、ここ数年でクルマの事故回避システムや車体の姿勢制御機能が飛躍的に進化を遂げました。

最先端の衝突回避システムは追突事故の8割を防止し、急な飛び出しの4割を回避するといわれています。さらに姿勢制御も、コーナーでタイヤの限界を超える前に自動的にクルマが危険を判断してスリップや転倒を回避するまでになっています。

ミニバンの最も苦手とするコーナリングの安定性もコンピューターが介入することで、一定の安全が担保されるようになってきたのです。

またメーカー側のノウハウの蓄積により、ミニバンにとってベストなサスペンションのセッティングを煮詰めてきました。当然車体のバランスが良いセダンやワゴンと比較すると劣ります。

ですがミニバンとは思えない粘りを見せる足回りクルマも登場していることから、ミニバンというプラットフォームは一つの成熟期を迎えていると感じます。

高級化

エルグランド室内

最近のミニバンは高級がトレンドです。

高級ミニバンの代名詞アルファードやヴェルファイアは、最低価格が300万円台マトモな装備をつけると500万円はゆうに超えてきます。

最も高級な限定グレードは1500万円と、高級外車とも勝負ができます。

ただの箱バンが500万円、1000万円という価格、昔ではとても考えられません。

ですが、トヨタに限らず日産も高価格帯のミニバンをラインアップしているところを考えると、高級ぽさではなく真に高級なクルマを求められるほどには幅広い層ががミニバンを受け入れたと考えられますね。

結局はドライバー次第

ミニバンは2000年代に爆発的に普及し、運転の上手い下手関係なく多くの人の手に渡りました。

中には運転が上手ではない人、マナーの悪い人も含まれていたので、ミニバンで下手な運転や無謀な運転が悪目立ちする事となります。

元々クルマが好きな人間は、ミニバンの成り立ちに否定的です。そこにクルマの限界も考慮しない走り方をするドライバーが現れたことによって、ミニバン=危ないクルマという印象がさらにつく事になったのです。

乗り手の母数が増えると、マナーやルールを守らない乗り手の分子も増えるので、結局ミニバンの評価の一部は乗り手で決まってしまったのかもしれません。

背に腹は代えられない

今でもミニバンへのネガティブな意見や不要論がありますが、荷物と人をそこそこ快適に運べるクルマとしてのミニバンは優秀です。

ファミリーカー、趣味の道具を運ぶトランポ、移動先の車中泊など、幅広いニーズに対応してくれるクルマはやはり背が高く、箱型だからこその特性です。

ミニバン以上の積載力はハイエースなど商用バンがありますが、市街地には大きすぎる車体、貨物積載を優先したサスペンション設定など、快適性を犠牲にしています。

そのような点からも乗用車と貨物車の最大公約数的な形のミニバンは、クルマとしての特性はどっちつかずですが、その中途半端さが逆が幅広い用途に対応できるからこそ多くの層に受け入れられたのだと考えます。

多くのファミリー世帯を見ていても、意地になってヒンジドアにこだわっていたクルマ好きでさえ、赤ちゃんが生まれてベビーシートの乗せ降ろしが必要になると、スライドドアのミニバンに流れて行きました。

走行性や安全性にシビアな人でさえ、子育てがし易いパッケージになびいてしまうのです。

クルマに興味のない普通ユーザーだったら言わずもがな、ですよね。

ミニバンは必要なのか?

今後少子やクルマのライフスタイルの変化、若者の合理化が進むことで、SUVや低燃費小型車に市場はシフトしていくかと思います。

ですが、BMWの2シリーズのような高級かつ実用性と安全性を絶妙なバランスで組み立てたミニバンも登場し、ミニバンと走行性能の一つの回答を提示してくれました。

デコラティブなエアロや無意味なホイールを履かせることで商品価値を引き上げることなく、2シリーズのような所有欲をみたし実用性も重視した車両が増えることでミニバン市場は大きく変わっていくことでしょう。

まとめ

ミニバンはその中途半端さが尖った性能を好むユーザーに嫌われる反面、多くの人が場面を考えることなく気軽に乗れるオールマイティーなクルマです。

走りを優先する人には退屈なクルマでしょう。

しかし技術の進歩により、人間の限界を超えた領域でクルマが危険を回避し、姿勢を制御する力を身につけ、ミニバンにあったマイナスの特性を抑えられるようになりました。

あとはその人の使いみちや好み、環境でミニバンを選ぶかその他を選ぶかだけの話です。

小さい子供の乗せ降ろし、荷物の積載性、見晴らしの良さを魅力と感じる人がいる限り、ミニバンを不要というのはクルマが好きな人のエゴなのかもしれません。

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