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燃料電池車「MIRAI」はどんなクルマ?特徴や購入する際の注意点をまとめてみた。

世界初の量産型燃料電池車(FCV)がトヨタ・MIRAIです。

FCVは過去にもトヨタやホンダなどが官公庁など向けに限定販売されてきましたが、ディーラーで誰でも買えるFCVはMIRAIが世界で初めてになります。

ハイブリッド、EVとも異なる最新エコカーMIRAIを徹底解説します。

MIRAIってどんなクルマ?

MIRAIは2014年11月に日本国内と北米で販売されました。

FCVのMIRAIはモーターのみで走りますので、基本的にはEVと同じです。

EVと異なるのは外部からの充電ではなく、車体に搭載した燃料電池スタックで水素と酸素を高温で反応させて発電し、モーターを駆動します。

燃料となる水素を高圧で充填できる水素タンクを搭載し、走行時には水以外排出しない新世代のエコカーです。

ボディサイズは全長4,890mm×全幅1,815mm×全高1535mmでホイールベース2,780mm、車両重量は1,850kgと普通乗用車としては重めになります。

プリウスに似た曲線基調のエクステリアもあり小さくみえますが、クラウンとほぼ同サイズで全幅は+15mm大きいボディです。

衝突時の水素漏れを防ぐことを目的に、ボディや燃料電池システムは頑強に作られているため、車両重量もクラウンハイブリッドより約200kg重くなっています。

水素は「漏れると爆発して危険」というイメージがありますが、ガソリンよりもエネルギー密度は低く、大気中にすぐ拡散するので比較的安全な燃料です。

MIRAIは炭素繊維で強化した水素タンクや、水素漏れを遮断する安全バルブなど多重のフェイルセーフシステムを採用し、水素漏れに対して万全の対策を取っています。

MIRAIの性能と特徴

エクステリアについては、フロントの三角形の大きなサイドグリルが特徴的です。

FCVは発電や高温になる燃料電池スタック冷却のため、大量の空気が必要になります。

サイドグリルは実際にはエアインテークになっており、効率的に空気を取りこむ為のものです。

サイドはウォータードロップ(水滴)をイメージした曲線で構成されています。

リアにマフラーは無く、左右を絞り込んで船底のようにスムーズな造形です。

ボディ下面もフルカバーして空気抵抗を減らし、エンジン音の無いFCVで問題になるボディから発する風切音の低減を実現しています。

一見プリウスのようなハッチバックに見えますが、トランクのある4ドアセダンです。

2つの水素タンクを後部座席の後方に設置するため、トランクは361Lとやや小さめになりますが、幅はあるのでゴルフバックは横向きに積み込めます。

インテリアも未来的な左右非対称のデザインで、エアコンなどのスイッチ類は静電感知式のタッチパネルです。

ステアリングにはヒーターが内蔵され、運転席はポジション記憶機能が付いた8ウェイパワーシートになります。

シート表皮は合成皮革で全席にヒートシーターを内蔵。内装色はウォームホワイトが標準、ブルーホワイトとブルーブラックのシートカラーは発注時に選べます。

FCVのメリットを生かし、センタコンソールとトランクルームに家庭用と同じAC100V・1500Wのコンセントあり、非常時にも安心です。

センターメーターは4.2インチTFTカラー液晶を使用したグラフィックメーターで、横には同サイズの液晶に燃料電池の状態など、運転状況と連携した情報を表示するマルチインフォメーションディスプレイが設置されています。

室内の質感も上質で、高級車の様なインテリアです。

後席は2人しか座れませんが、センターにはプッシュ式カップホルダーやコントロールスイッチを備えたアームレストが備わっています。

FCVと言っても運転について特別な操作は無く、スタートボタンを押しプリウスに似たシフトスイッチをDに入れれば、通常のAT車と同じように走れます。

走行時は静かの一言で、エンジン音がしない代わりに燃料電池スタックのファン音やモーター音がしますが、気にならないレベルです。

静かすぎるためタイヤと路面から発するロードノイズの方が気になります。

サスペンションは柔らかくフラットで快適な乗り心地です。

FCVは重量のあるバッテリーや燃料電池の補器類をボディ下部に集中して搭載できるため重心が低く、コーナでのロールも少なく操縦安定性も優れています。

主な安全装備はミリ波レーダーとカメラによるプリクラッシュセーフティー、レーンディパーチャーアラート、ブラインドスポットモニターです。

レーダークルーズコントロールやクリアランスソナー等もありますが、詳細はトヨタ公式HPでご確認ください。

グレードの種類は1種類のみで税込723.6万円になり、寒冷地仕様やMIRAI専用のナビゲーションとホワイトパール、プレシャスシルバー、ブラックパールのボディカラーがオプションとなります。

MIRAIを購入する時の補助金制度の種類

EVやPHEVなどのクリーンエネルギー車の普及促進のため、新車の購入時に国や自治体から補助金が支給される制度があります。

燃料電池車は国の水素エネルギー普及の方針もあり、通常のエコカーと比較して補助金が高額です。

MIRAIを購入する際に適用可能な補助金の額は以下の2つがあります。

  • CEV補助金:「クリーンエネルギー自動車等導入費補助金」購入費用から最大202万円
  • 地方自治体による独自の補助金

(例)東京都では「燃料電池車等の導入促進事業」により、国で定める補助金の2分の1を助成・購入費用から最大101万円受ける事ができます。

東京都で購入した場合723万円から最大303万円の補助金を受ける事ができ、420万円で購入が可能です。

さらに以下のエコカーに対する税制優遇も受けられます。

  • 自動車グリーン税制

自動車税:登録翌年度・約22,000円

  • エコカー減税

自動車重量税・約30,000円

自動車取得税・約180,900円

エコカー減税分まで考慮すると実質400万円を切る価格(東京都の場合)で購入が可能になります。

自治体の補助金は東京都以外でも神奈川県、愛知県などでも助成金の制度があるので確認しておきましょう。

補助金の注意点

補助金については1年間の予算で実施しているため、年度が替わると補助金額が変更される可能性があります。

年度内でも予算の上限があり、予定以上の台数の申請があり予算をオーバーすると受付が打ち切られますので、購入時期には注意が必要です。

補助金の申請は車両の代金を全額支払い、登録(届出)してから1カ月以内に行います。

申請後に審査などで1~2ヵ月かかりますので、補助金の振込までには3ヶ月程度の期間が必要です。

また転売などの不正受給防止のため補助金を受けると3~4年間の所有義務があり、経過するまで乗換はできません。

購入する際の注意点

MIRAIの購入を検討するうえで、航続距離と水素ステーションに注意が必要になります。

カタログ上では満充填で650km程度となっていますが、長期レビューなどを参考にすると実際には300~400km程度のようです。

東京~箱根を往復する位の距離ですので、充填回数はハイブリッドカーよりも多くなります。

外出先や普段の充填については水素ステーションに頼ることになりますが、開所予定も含め全国91か所と少なく大都市圏に集中しています。

EVの長い充電時間と比較すると、ガソリンと同じように約3分で満充填できるメリットがありますが、ステーションが少なく不便さが際立ちますね。

官公庁がアドバルーン的に購入するならまだしも、大都市圏以外の普通のユーザーが購入するにはリスクが大きいです。

水素の価格は1188円/kg、MIRAIは140km/kgの燃料消費率ですので1kmあたりのコストは8.5円になります。

レギュラーガソリンを120円とすると、ガソリン車では14.1km/L程度の燃費の車と同じです。

仮に水素ステーションが自宅の近くにあり、MIRAIを購入したいと思っても納期は今から3年後の2019年以降になります。

MIRAIは新技術が多く、生産には熟練工の手が必要なため3台/日と年間で700台程度しか生産できません。

注文の集中も重なり2年以上の納期がかかっています。

トヨタ自動車は量産化に力を入れていますが、まだまだ時間が掛かりそうですね。

まとめ

初代プリウスが出たときも、ハイブリッド車がこれほど普及するとは誰も想像できませんでした。

世界中の自動車メーカーに先がけ、現実に購入できる価格でFCVのMIRAIを発売したトヨタの英断は素晴らしいことです。

EVより航続距離が長く充電時間がかからないMIRAIは、ガソリンやハイブリッド車のように普通に使用できる自動車になる可能性があります。

燃料電池は小型化や軽量化など進化していくと思いますが、FCVが普及するかどうかは水素ステーションなどのインフラ整備によるものと言っても過言では無いでしょう。

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