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ここまでするの?GT-Rの2017yモデル!9年間の熟成は伊達じゃない

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日産GT-R(R35)は、2007年12月に発売され、伝説のスカイライン2000GT-R(PGC/KPGC10)から数えて6代目となるモデルです。

現行モデルからスカイラインのネームは消えましたが、GT-Rは今も昔も「技術の日産」を象徴するフラッグシップモデルです。

徹底的に走りのみを追求したフェラーリやランボルギーニのようなスーパースポーツとは異なり、GT-Rのコンセプトはいざとなれば4人が乗れ、荷物も積める「グランツーリスモ」の最高峰を目指して作られています。

その性能は、2008年のニュルブルクリンク北コースでの市販車最速タイムの記録、Super-GTやFIA-GT選手権などモータスポーツ分野での活躍でも実証された通り、世界のスーパースポーツカーと肩を並べる実力を持っています。

現行モデルからグローバル販売を前提に左ハンドル仕様を準備し、北米ではその強力なパフォーマンスから「Godzilla(ゴジラ)」の愛称で呼ばれるほど、世界中にファンを増やしているのです。

GT-Rについて

現行モデルからスカイラインの高性能バージョンではなく独立した車種となったことから、GT-R専用設計のプラットフォームを使用しています。

スポーツカーの命ともいえるパワートレーンは、VR38DETT型 3.8L V6 ツインターボエンジンを搭載し、R32スカイラインGT-Rから続く熟成のアテーサE-TSで4輪を駆動します。

エンジンはわずか4人の職人により1基ずつ手組で仕上げられ、エンジンには組み上げた職人のネームプレートが貼られています。

特徴的なのは究極の運動性能を実現するため、クラッチ・トランスミッション・デフを車体後方に配置するトランスアクスルを採用し、ほぼ50:50の前後重量配分を実現しています。

トランスミッションは0.2秒の変速を実現するデュアルクラッチ式6速2ペダルミッションのみで、マニュアルミッションは準備されていません。

足回り

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サスペンションはフロントに剛性が高くタイヤの接地性が高いダブルウィッシュボーン方式、リアはトラクション性能が高いマルチリンク方式が採用されています。

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ショックアブソーバーはビルシュタインと共同開発した電子制御式、ブレーキはフロント対向6ポッド、リア対向4ポッドのブレンボ製です。

窒素充填されたフロント255/40R20、リア285/35R20のハイグリップな専用ランフラットタイヤと合わせて、GT-Rの驚異的な運動性能を支えます。

ボディ

4座の2ドアクーペボディは筋肉質で無骨なデザインですが、エアロダイナミズムを追求したスリークなボディになっています。

収納式のドアハンドルや、切り落としたリアデザインにより空気抵抗はプリウス並みのcd値0.26をマークしつつ、適正にセットされたリアウィングやフロントデザインにより、ダウンフォースはフロント80kg・リア35kg(2011年モデル・250km/h走行時)を発生。

空力

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空力へのこだわりはボディ表面だけでなく、フロントから取りこんだ空気をボディ内部のセンタートンネルを介して後部に流し、エンジンと車体後部のトランスアクスルの冷却とドラッグの低減を実現するボディ構造にまで及んでいます。

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GT-R伝統の丸形4灯テールランプとエンブレムは引き継ぎながら、一つ一つのデザインが機能を持ち、空気抵抗の低減やダウンフォースの獲得、冷却という相反する条件を高度にバランスを取ったボディです。

イヤーモデル制で進化を続けるGT-R

4~6年のモデルライフで1~2回のマイナーチェンジを行う通常の車とは異なり、GT-Rはテストやレースで得たデータをもとに、毎年イヤーモデルとして年次改良を行っています。

新しいオーナーには「最新のGT-Rが最善のGT-R」であるとともに、以前のモデルでも新パーツを組み込むことによって最新バージョンへのアップデートが可能です。

イヤーモデル制においても、マイナーチェンジにあたる大幅な改良が実施されたのは、2011年モデルと2014年モデル、2017年モデルの3モデルとなります。

2011年モデルの変更点

  • 前後バンパーの形状変更、フロントバンパーへの整流フィンの追加、リアディフューザーの延長等空力特性の改善
  • 最高出力が485psから530ps、最大トルクが60.5kgmから62.5kgmへアップ
  • ショックアブソーバー、サスペンションジオメトリ変更
  • フロントブレーキローターの大径化
  • LEDデイライト、テールパイプフィニッシャー、ホイールデザインの変更
  • 新グレード「エゴイスト」「クラブトラックエディション」の追加

2014年モデルの変更点

  • サスペンションストロークを増加。サススプリング、スタビライザー等の最適化
  • 新設計タイヤの導入
  • パワーステアリング制御の変更
  • ブレーキのチューニング
  • 制振・吸音材の追加
  • ヘッドランプ、リアコンビランプの意匠変更。LEDヘッドランプを採用
  • ゴールドレッドフレークパール(新色)の追加
  • インテリアの質感向上
  • GT-R・NISMOモデルの追加

チューニングの方向性に変化

開発当初から骨太な信念でGT-Rの開発を牽引してきた水野和敏氏が日産を離れ、R34型GT-R開発者の田村宏志氏が開発責任者に就任したことで、2014年モデルからチューニングの方向性が変わっています。

標準モデルは一般道路での快適性も含めた総合性能の向上で上質なグランツーリスモを目指す役割となり、スーパースポーツとしての絶対的速さはGT-R・NISMOが追求する役割となります。

GT-R・NISMOはチューニングエンジンや専用エアロパーツなどにより1,500万円以上の価格になりましたが、2013年にニュルブルクリンク北コースで7分08秒679の市販車最高タイムを出しています。

GT-R2017年モデル R35型最後のチェンジ

発売後9年が経過したGT-Rのおそらく最後のマイナーチェンジとなる2017年モデルは、モデル末期の延命策ではなく大規模な変更が実施されています。

エクステリア

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フロントではラジエターグリルの開口部の拡大と新形状のフロントスポイラー、日産デザインに共通するVモーショングリルが採用され、従来モデルよりもエッジの効いたデザインが採用されています。

変化はわかりにくいですが、ボンネットも高速域での変形を抑えたタイプに変更されました。

サイドシル前部の変更やリアフェンダー後端の延長、サイドアウトレットの形状変更、リアディフューザーも形状が変更されています。

空力性能は大幅に向上し、過去のモデルやレースで積み上げてきた空力ノウハウの集大成といえるエクステリアになっていますね。

細かい所ですが特徴的だったCピラーの折れ線が無くなっています。

過去のスカイラインを思い出させるデザインモチーフでしたが、乱流を消す目的で廃止されたようです。

フロントの剛性向上の目的もありそうですが、モデル末期にもかかわらずコストのかかるルーフの再設計を行うことは、GT-Rのパフォーマンスアップにかける情熱とこだわりに驚嘆します。

パワートレーン

エンジン出力は600psのGT-R・NISMOのノウハウと気筒別点火時期制御の採用により、550馬力/64.5kgmから570馬力/65.0kgmへ引き上げられました。

発売当初から大幅な変更なしに9年間で90psもアップしたことには、VR38DETT型の素性の良さと熟成を感じます。

新設計のチタンエキゾーストは排気音のチューニングだけでなく、可変バルブを装着して始動時の音量を抑制。

トランスミッションも制御を見直し低速域での静粛性やスムーズさが向上し、マニュアルモードで使用するパドルシフトはハンドル固定式となり操作性の向上を図っています。

インテリア

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インパネもデザイン変更され、レザーとステッチを多用し質感を大幅に向上しています。

安定感のあるドライビングポジションを得られるようシート形状も見直され、マルチファンクションモニターも7インチから8インチへ拡大されました。

エンジンサウンドが心地よく感じるよう音質をコントロールする「アクティブ・サウンド・コントロール」も初採用されています。

足回り

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フロントウィンドウ廻りを中心にボディ剛性を高め、フロントとリアのボディ剛性のバランスを最適化しています。

ボディ剛性の向上に伴いサスペンションセッティングも手が加わり、ドライバーの操作に対するリニアリティと安定性を高度に両立させたハンドリングを実現しています。

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アルミホイールは新デザインのレイズ製アルミ鍛造20インチホイールへ変更されました。

価格

ボディカラーは新色のアルティメイトシャイニーオレンジを含め7色から選べます。

価格は以下の通りです。

  • Pure edition 9,960,840円
  • Black edition 11,869,200円
  • Premium edition 11,705,040円
  • GT-R・NISMO 18,700,200円

デビュー当時は「何が何でも早く走る」というストイックでスパルタンなイメージでしたが9年という時を経て、「速さの質」を感じさせるスーパースポーツへと熟成されたように感じました。

モデル末期まで手を抜かず、パフォーマンス向上のためにあらゆる改良を行ってきたことが2017年モデルの進化を支えています。

同じスーパースポーツとして新型NSXを迎え撃つGT-Rですが、熟成された走りで当分の間優位に立ちそうです。

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