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最高級乗用車センチュリーとは?人が乗るクルマでは無く、人を乗せるクルマ!?

トヨタセンチュリーは名実ともにトヨタの最高級乗用車、フラッグシップサルーンです。

発売された1967年がトヨタの創業者である豊田佐吉の生誕100年、また明治100年であることにちなんでセンチュリーと名づけられています。

1,000万円を超える価格と、メルセデスベンツともレクサスとも違う高級車のオーラはまさに「トップ・オブ・トヨタ」にふさわしいモデルです。

長年に渡り官公庁や企業の重役用などで使用されていますが、個人ユーザーやタクシーでは使われないため「見たことはあるけど、乗ったことはない車」の代表でもあります。

できれば運転手付きで後席に乗ってみたい最高級乗用車、センチュリーを徹底解剖します。

センチュリーってどんなクルマ?

初代モデルは30年間、1997年に発売された現行モデルも20年近く経過する長期生産モデルです。

ボディサイズは全長5,270mm×全幅1,890mm×全高1,475mmでホイールベースは3,025mmの堂々としたサイズになります。

エクステリアは長いボンネットとトランクに、四角いキャビンを組み合わせたシンプルながらも重厚感のある独特のデザインです。

ボディのサイドラインや下回りを囲むメッキパーツ、フラップ式のドアハンドルなど古典的な先代のイメージからほとんど変わりはありません。

ボディにトヨタのエンブレムやロゴは無く、フロントグリルとリア、16インチアルミホイールのセンターに鳳凰(ほうおう)のエンブレムが装着されます。

エンジンは直列6気筒を2機組み合わせた国産車唯一の5.0リッターV12エンジンで、片バンクにトラブルがあっても走行が可能なように燃料系や電気系統が冗長化されたユニットです。

パワーは280psですが、電子制御スロットルやスーパーインテリジェント6速ATとの組み合わせで、滑らかな回転による振動の低減とスムーズな加速感、静粛性にこだわっています。

2トン近い車重と、5リッターのエンジン排気量ですので燃費は7.6km/Lと一桁です。

シフトはコラムシフトとフロアシフトが選べ、フロアシフト車ではマニュアル感覚でドライビングが愉しめるシーケンシャルシフトマチックが付き、ドアミラー(通常はフェンダーミラー)も選択できます。

ボディには随所に2層、3層の吸音材や制振材を配し、構造材の中に発砲材を注入して遮音性を向上。

ノイズチューニングを施して会話明瞭度が高く、心地よい静粛性を実現しています。

サスペンションは前後ダブルウィッシュボーン方式に、オートレベリング機能付きの電子制御式エアサスペンションの組み合わせです。

後席の乗員に負担をかけないようにコーナーでのロールを抑え、エアサスならではのしなやかでフラットな乗り心地を実現しています。

ボディカラーのネーミングが独特

ボディカラーは、

  • 鸞鳳(らんぽう)グロリアスグレーメタリック
  • 精華(せいか)レイディエントシルバーメタリック
  • 摩周(ましゅう)シリーンブルーマイカ
  • 瑞雲(ずいうん)デミュアーブルーマイカメタリック

和名が使われた5色です。

シート表皮はウール100%のファブリックで、同じく瑞響(ずいきょう)と和名が使用されています。

ボディカラーに合わせグレー、オーキッド、ブルーグレーの内装色が組み合わされます。

本革シートはオプションでグレーとオーキッドの2色です。

センチュリーは後席のためのクルマ

センチュリーの後席は念入りに作り込まれています。

リアタイヤは後席後端から離れた位置にあり、ドアとフロアには段差をなくすことで体を横にずらすだけで乗降が可能です。

リアドアとラゲージには、半ドアまで閉めると自動的にモーターでドアを引き込むドアクローザーを装備しています。

半ドアを防止するだけでなく、運転手やドアマンによるドアの開閉もジェントルに行う事が可能です。

シートはメモリー機能付パワーシートで前後スライドや上下の調整ができ、ドアの開閉と連動して乗降がしやすい元の位置にオートリターンします。

ヒーターだけでなく、シート内部からエアコンの冷気を送風する空調機能やバイブレーションによるマッサージ機能も装備。

シート、空調やオーディオなどは大型のリアアームレスト内のリモコンスイッチで座ったまま操作できます。

エアコンは運転席と助手席、後席エリアで個別に温度調整が可能で、天井部にはマイナスイオン発生装置が装備されている為、車内を清涼に保ちます。

前席の中央には後席用のエアコン吹き出し口を備えた大型コンソールタワーが装着され、内蔵された7インチディスプレイではナビ画面のほか地上波デジタルTV、DVD鑑賞が可能です。

※大型コンソールタワー※

角度調整式の読書灯や照明付後席バニティミラー、音響では12個のスピーカーを配置した「センチュリー・シアターサウンドシステム」を装備し、5.1チャンネル音声方式にも対応しています。

※センチュリー・シアターサウンドシステム※

DVDプレーヤーは後席にセットされ、ラジオはFM多重放送や短波放送も受信可能です。

後席左側にはフットレストが付くとともに、助手席シートバックを手前に引き倒すとオットマン(足乗せ台)になります。

助手席ヘッドレストは前倒しでき、後席から前方視界を得ることで開放感を持たせることも可能です。

靴を脱いでくつろぐこともあることから、後席ドアのピラー部分の根元には靴ベラを置く場所もあります。

後席にもSRSサイドエアバッグとカーテンシールドエアバッグを装備し、後席の安全性も万全です。

「12,538,286円」と価格が高い理由

センチュリーの価格は国産車としては高額で、職人による手作りで生産していることが大きな理由になります。

カローラの3倍のスポット溶接や外板溶接跡のヤスリ掛け、プレス鋼板の面仕上げなど通常ロボットで行う作業もすべて手作業です。

完成までの360工程、およそ3万点の部品の組み上げも人の手で行われています。

パーツも一つ一つにこだわりをもつ専用品です。

インパネの本木目パネルは1枚の木材から作り出され、エアバッグのリッドやコンソールの継ぎ目などでも木目が合うように加工されています。

シート表皮はファブリックですが高級ソファのような手触りで、シート構造もウレタン、コイルバネとSバネと特性の異なる緩衝材を組み合わせた3層構造です。

ボディ塗装も熟練した職人により7回塗り重ねられ上質な輝きを見せます。

手作業やこだわりぬいた素材など単純なコストだけで計算すると、3,000万以上の値付けが妥当ともいわれるだけに、高額ですがお買い得なクルマです。

センチュリーの生産は、月数台レベルの少量生産のため手作業としている部分もありますが、職人の技術の伝承や人材育成の意味も持っています。

少量生産のためコンライトの感度調整、オートロック機能の解除、ドア閉め後の消灯タイマーの時間調整など購入者の希望に応じた調整も可能です。

基本的に国内販売専用車ですが、海外の日本大使館など向けに100台ほど左ハンドル仕様がつくられ輸出されています。

お台場MEGA WEBで実物が見れる!

普通のクルマとは違い普段の生活で乗る機会などまったくなく見る機会も少ないセンチュリーですが、お台場のMEGA WEBに実車が展示されているので実際に座ったり触れたりすることができます。

実車に触れてみるとわかりますが、職人の腕で生み出された有機的で重厚なボディラインや人差し指でスムーズに動く分厚いドア、上品で佇まいの良い内装を体験することができます。

カタログの印象と、実物の印象がこれほど違うクルマは中々他にありません。

クラウンやランクルなどトヨタの高級車が並ぶMEGA WEBでもとりわけオーラのある車です。

サラリーマンでも買えるのか?

センチュリーは公用車などの使用も多くの独特な雰囲気もあることから「サラリーマンなどの個人では購入できない」噂がありますが、お金さえあれば普通にディーラー(トヨタ店)で購入できます。

ただし、センチュリー派生車のセンチュリーロイヤルだけは購入できません。

センチュリーロイヤルは皇室向けの御料車としてセンチュリーをベースに製作されたモデルになります。

全長6,155mm×全幅2,050mm×全高1,780mmと二回りほどボディが大型化され、8人乗りのリムジンです。

ドアは観音開きとなり、皇族の方や国賓の移動に使われるため窓は大型化され、防弾ガラスになっています。

シートは4台製作され、1台は寝台車(霊柩車)です。

一般からの販売希望も多いようですが、御料車専用車両として販売は行わない予定です。

まとめ

センチュリーは運転を運転手(ショーファー)に任せ、オーナー自身は後部座席に乗るショーファードリブンカーとして唯一の国産車になります。

送迎だけでなく、要人や企業のトップなどのVIPを迎え「おもてなし」を行う最上級の移動空間を提供する車です。

環境問題に敏感な昨今では、政府や行政の公用車に価格が高く燃費の悪いセンチュリーを使いづらい状況にあり、ハイブリッド車のレクサスLS600hLやMIRAIなどエコカーに変更するケースも目立ってきています。

一般ユーザーでセンチュリーを使うには燃費だけでなく、大きすぎるボディや独特のイメージなどもあってマイカーでの購入には抵抗があります。

なかなか乗る機会のないセンチュリーですが、新車としては霊柩車の需要も多く、縁起でもありませんが人生最後に乗る車がセンチュリーになる人もいるかもしれません。

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