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自動車保険を解約しても等級を維持する方法!中断証明とは?

最近テレビやネットなどで自動車保険のCMが頻繁に流れていますね。

その内容は「保険料が安い」や「サービスが充実している」といったもので、要するに「当社の保険に乗り換えてください」と勧誘しているわけです。

そんな効果もあってか、この数年で新しい保険会社がシェアを伸ばしているので実際に保険を乗り換えた人も多いのでしょう。

しかしクルマに乗るようになってから、ずっと同じ保険会社で通している人はこんな疑問を持つかも知れません。

「保険会社を乗り換えた場合、等級はどうなるの?」

たしかに等級が変わると月々の保険料も違ってきます。

せっかく安価な保険会社に替えたとしても、等級がリセットされて保険料が高くなってしまっては元も子もありません。

そんなことも含めて、自動車保険の等級引継ぎや中断について考えてみましょう。

解約ではなく「中断」した場合のメリットは?

初めて自動車保険に入った場合、例外なく「6等級」からスタートします。

そして1年間無事故で通すことができれば「7等級」へとランクアップし、逆に事故を起こして保険金を請求した場合は等級がダウンするのです。

つまり事故がなく運転歴が長ければ必然的に等級の数字が上り、それに応じて支払う保険料は安くなります。

この等級というのは、いわばそのドライバーの事故リスクを表す証明書のようなものなので、たとえ別の保険会社に乗り換えても等級はそのまま受け継がれるのです。

しかし運転をやめるつもりでクルマを手放し、自動車保険の契約も切れてしまうと等級もリセットされます。

ですから何年か後にまた気が変わってクルマを購入した場合、等級は再び6等級からのスタートになるわけで、以前の保険料より高額な保険料を払わなければいけなくなるのです。

これは非常に勿体無いですよね。

こんなケースに備えて当分の間クルマを所有や運転しなくても、その間の等級を据え置きにしておけるのが「中断」という制度なのです。

今現在は運転する予定がなくても、将来的に事情が変わるかも知れません。

家族が免許を取ってクルマを購入するという可能性もあるでしょう。

したがって高い等級で保険に加入していた人は、自動車保険の契約が切れてしまう際に中断手続きを申請しておくべきです。

中断手続きの条件と必要書類は?

そんな便利な中断手続きですが、全ての人が恩恵を受けるわけではありません。

たとえば中断前の等級が6等級であり、次に新しく保険に加入したとしても同じ等級から始まる場合は中断証明の意味はありません。

次に事故などにより5等級以下で割増しの保険料を支払っていた人ですが、この場合は自動車保険の解約から13か月は自動的にその等級が引き継がれてしまうので、その期間内に再び保険に加入しても等級は変わりません。

13か月を過ぎて新たに保険に加入すれば6等級からのスタートになりますので、どちらにしても中断証明を申請するメリットはないのです。

つまり中断手続きを申請するには、「中断後に再開する際の契約が7等級以上になること」という条件になります。

中断証明書が発行される条件

中断証明書を発行する条件は中断時の等級以外にも、保険の契約が満了する以前に、そのクルマが自分の所有でなくなっている場合というのも条件です。

車検の有効期間が残っているクルマを所有した状態で任意保険だけを解約して、中断証明書を申請することはできません。

中断申請する場合は保険の解約日までにそのクルマを廃車にするか、売却するなどして既に自分の所有でなくなっていることが条件の1つです。

その他中断証明の条件をまとめると、保険の満了日および解約日までに以下のいずれかに当てはまっている必要があります。

  • 車検証の有効期限を経過しても新たに車検を受けていない
  • 保険の解約日までに、クルマの抹消登録が完了していること
  • そのクルマの廃車手続きや、他人への譲渡手続きが完了していること
  • リース業者への車両返還手続きが完了していること
  • 複数のクルマを保有していたが、車両の入れ替えでそのクルマが他の保険の対象になった
  • 盗難などにより、クルマが手元に存在しないこと
  • 留学や海外赴任などで、長期にわたって国内にいなくなること(旅行は除く)

以上の条件を満たしている場合に限り、契約している保険会社に対して中断証明書の申請をすることが可能です。

次にクルマを所有することになった際に、中断証明書が発行され時の等級から保険契約を再開することができます。

中断証明書の申請の際に用意するべき必要書類と、発行されるまでの日数

中断証明書が発行されるためには、「契約者が現在、クルマを所有していない」ことを証明することが必要です。

つまり車両が廃車、譲渡、返還されたことを表す証明書を用意しなければいけません。

具体的にはどのような書類が必要かをそれぞれのケースごとに見ていきましょう。

(1)車検証の有効期限を経過して、新しく車検を受けていない場合

車検切れの事実や有効期間満了日を証明できる「車検証」または「検査記録事項等証明書」のコピー

(2)保険の解約日までにクルマの抹消登録を完了した場合

「一時抹消の事実」か「抹消の日付」が証明できる公的資料のコピー

陸運支局または自動車検査登録事務所で発行してもらえます。

(3)そのクルマを廃車にしたり、他人へ譲渡手続きが完了した場合

廃車や譲渡した事実とその日付が確認できる公的資料(解除事由証明書など)のコピー

廃車の手続きをした際は陸運支局で発行してもらえます。

(4)リース会社に対して、クルマを返還した場合

返還した事実とその日付が確認できる書類

・リース契約書など

(5)複数のクルマを所有していて、保険の対象車両の廃車や譲渡によって、他の車両と入れ替えた場合

別契約の車両入れ替えのための承認書か承認請求書

(6)車両が盗難されていること

盗難届のコピ-

・提出した警察署名がわかるもの

(7)留学や海外赴任等で長期にわたって外国に行く場合(海外特則)

この海外特則についても中断の理由を証明する書類が必要なのですが、必要書類は保険会社によって異なりますので契約保険会社に問い合わせてください。

上記の書類に加え、「自動車保険証券」と、保険会社が発行する「中断証明取得依頼書」(保険会社に電話で申し込むか、会社のHPからコピーできます)が必要になります。

なお、中断証明書は申請日から約1週間程度で送られてきます。

例外的な中断

長期の海外渡航をする場合(海外特則)

上の項でご説明した中断理由のうち(1)~(6)までは「国内特則」ですが、(7)だけは特別なケースとなり「海外特則」とも呼ばれています。

そのため、必要条件も異なります。

「中断後に再開する際の契約が7等級以上であること」というのは共通していますが、これに加えて「保険終了日から6ヶ月以内に海外渡航すること」という条件が必要です。

自動車保険契約を解約したけど海外へ行くのは解約日から7ヵ月後、という人は中断証明書を発行してもらえません。

もちろん中断証明書の発行手続きをするのは保険期間が切れて6か月以内ですので、申請する時点では契約者はまだ日本にいるわけです。

実際には契約者から海外渡航するという申告をすれば、保険会社は出国前であっても見切り発車で中断証明書を発行してくれます。

中には海外に行く予定もないのに嘘をついて、海外特則の中断証明書を申請する人もいるようですが、次回にこの中断証明書を使用する際に、本当に海外に行ったかどうかは確認されますので、もし不正がバレたら中断証明書は無効です。

これ以外にも海外特則が適用されるには、以下の条件をすべて満たす必要があります。

(1)新契約の保険始期日が中断証明書の有効期限内であること

(2)新契約の保険始期日が帰国後1年以内であること

(3)旧契約の中断後の出国から直前の帰国日までの間で、1年以上の日本滞在がないこと

(4)新契約の記名被保険者が以下のいずれかであること。

・旧契約の記名被保険者と同一

・旧契約の記名被保険者の配偶者

・旧契約の記名被保険者またはその配偶者の同居の親族

(5)新しい契約車両の所有者が以下のいずれかであること

・旧契約の車両所有者と同一

・旧契約の記名被保険者と同一

・旧契約の記名被保険者の配偶者

・旧契約の記名被保険者またはその配偶者の同居の親族

このうち上記(2)と(3)について少し補足しますが、海外特則の中断証明書は帰国後、1年以内に使用するのが条件です。

つまり帰国して1年以上経過しても新しい保険を契約しなければ、中断の特則が無効になります。

一年後にまた外国に出てすぐ帰国すれば、そこから1年間保険に入らなくてもいいんじゃないの?と考える人がいるかも知れません。

そういう裏技を避けるために(3)の規定があるのです。

つまり対象となるのは、最初の出国から一番直近の帰国までということになりますので、その間に一年以上日本国内に滞在していれば海外特則の中断は認められないのです。

妊娠、出産による場合(妊娠特則)

全ての保険会社ではありませんが、妊娠による中断証明書の発行を行っている保険会社もあります。

たとえば記名被保険者が妊娠した場合、出産するまではクルマを運転しないというケースはよくありますよね。

その際に記名被保険者以外に誰もそのクルマを運転しないのであれば、一旦保険を解約して中断証明書を発行しておいたほうがお得なのです。

もし一年くらいクルマを使わないのであれば、等級をキープするためだけに保険料を支払い続けるのは勿体無いでしょう。

妊娠特則の中断証明書を使って出産後に保険を再契約すれば、中断前の等級もそのまま引き継ぐことができるのです。

ひとつ注意しなくてはいけないのが、この妊娠特則を扱っている保険会社は限定されていることでしょう。

当然ながら妊娠特則のない保険会社では中断証明書を発行してくれませんし、妊娠特則のある会社で取得した中断証明書を使って再契約することもできません。

妊娠特則の中断証明書は、中断日から13か月以内であれば発行してくれます。

中断証明書を使って等級を引き継ぐ流れ

中断証明書を使って等級を引き継ぐには条件があります。

(1)保険の中断日から10年以内(妊娠特則の場合は3年以内)であること

(2)海外へ渡航していた場合は、出国の翌日から10年以内であること

(3)中断前の等級を継続するクルマは、取得してから1年以内であること

・海外に出国していた場合は、帰国した日の翌日から1年以内であること

(4)中断する前と後でクルマの所有者および被保険者が同一であること

・配偶者や同居の親族であれば、本人でなくとも中断証明書を使って等級の引き継ぎは可能

(5)クルマの用途や車種区分が同一であること

中断証明書を使えば、その有効期限内であれば中断前の等級を引き継いだまま新たな契約を結ぶことができます。

この際、以前に契約していた保険会社と新たに契約をする保険会社が同じである必要はありませんし、違うタイプの自動車保険でも問題ありません。

ただし一部の共済などでは等級の引き継ぎができないこともあり、当然ながら保険料は保険会社によって変わってきます。

また妊娠特則による中断を利用するには、中断の前後ともに妊娠特則の取り扱いがある保険会社に限ります。

等級を引き継いで新しい保険契約を結ぶために必要な書類は、中断証明書に加えて新しい車を取得した事を証明できる書類(車検証のコピーなど)です。

まとめ~知らないと損をする中断制度

たとえば、自動車保険の契約期間内に事故や故障でクルマを廃車にしたとします。

生活上どうしてもクルマが必要な人なら、すぐに代わりのクルマを探すでしょう。

特にクルマがなくても困らない場合は、「そのうち買えばいいや」とのんびり構えていて、そんな状態で数か月が過ぎていた……なんてことになるかも知れませんね。

クルマを購入するのは半年先でも、一年先でも構いませんが問題は保険です。

のんびりしている間にも自動車保険をそのまま放置すれば、保険料は毎月引き落とされます。

実際こんなケースも含めて無駄な保険料を支払っている人は本当に多いのです。

手元にクルマがないのに、そのままの等級をキープしたいからという理由で保険を解約しない、仕事で半年以上海外に行ってたが、面倒だから保険はそのままにしたといった話も少なくありません。

何故ならば「中断証明書」というものの存在を知らないからなのです。

保険会社も営利団体ですから新規契約者を増やしたり、他社からの乗り換え客を獲得するために広告宣伝に力を入れるのは当然です。

しかし中断制度についてはほとんどPRされていません。

それはみんなが中断制度のことを知り、積極的に利用することになっても保険会社の利益にはつながらないからです。

中断制度は保険契約者にとっての正当な権利ですので、使わなければ損なのです。

これから日本はますます高齢者が増え、クルマの運転をしなくなる人も多くなるでしょう。

でも運転を卒業したからといって、長年コツコツ積み上げた保険等級まで捨ててしまう必要はないのです。

中断制度の最長有効期限は10年あります。

10年もあればクルマを手放した時に小学生だった孫が、免許を取ってクルマを購入する可能性も大いにあるでしょう。

その際6等級から始まるのと20等級から始まるのとでは、支払う保険料に大きな差が生じるのです。

中断証明書の申請自体は無料ですし、保険を中途解約した場合、未経過期間については返金されることもあります。

もしクルマを手放したり一定期間運転しないことが見込まれる時は、中断証明書の申請を検討してみてはいかがでしょうか。

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